著者
高橋 二郎 本江 信子 大木 史郎 北村 晃利 塚原 寛樹 許 鳳浩 鈴木 信孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.9-17, 2015 (Released:2015-04-10)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

赤色のカロテノイドであるアスタキサンチンは,優れた抗酸化作用や様々な生理作用を有すことが知られることから,機能性健康食品素材として注目されている.これまで約 10 年の間に,アスタキサンチンに関する臨床試験が数多く実施され,その中で食品としてのアスタキサンチンの安全性が報告されている.本総説では,これら安全性に関する臨床試験の報告と,遺伝毒性及び急性・亜慢性毒性等の毒性試験の報告を,効能研究及び安全性試験の報告が最も多いヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン製品である,富士化学工業のアスタリールを中心にまとめた.更に,最新の研究に基づいて,医薬品との相互作用に関与する薬物代謝酵素へのアスタキサンチンの影響を考察した.ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチンであるアスタリールの安全性は,多岐に渡るエビデンスにより確立されている.
著者
塚原 寛樹 松山 明正 阿部 哲朗 許 鳳浩 太田 富久 鈴木 信孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.57-62, 2016-09-30 (Released:2016-10-14)
参考文献数
10
被引用文献数
3

目的:アスタキサンチン含有飲料の肌におよぼす影響を検討する. 方法:肌の衰え(加齢による肌のたるみ,肌の乾燥など),肌のくすみが気になる30歳以上50歳未満の日本人女性を対象に試験を実施した.試験結果を客観的に評価するために,二重盲検法による群間比較を行った.被験者20名をアスタキサンチン含有飲料(アスタキサンチン3 mg含有)摂取群とプラセボ飲料摂取群(対照群)に無作為に割り付けを行い,試験食品摂取前,試験食品摂取4週後および8週後に紅斑,皮膚水分量,皮膚水分蒸散量,皮膚粘弾性,顔面画像解析(VISIA)などについて評価を行った. 結果:群間比較において,皮膚水分量,皮膚水分蒸散量,皮膚粘弾性,紅斑およびキメの項目でアスタキサンチン含有飲料群がプラセボ飲料群に比較して有意に優れていた. 結論:アスタキサンチンは肌のバリア機能の障害を抑制し,肌の保水力を維持し肌の乾燥を緩和すると同時に,紅斑,皮膚粘弾性,キメに対する効果を有すると考えられた.試験食品に起因すると考えられる有害事象はみられず,アスタキサンチン含有飲料は肌にとって有用な飲料であると考えられた.