著者
塚原 英敦
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.101-121, 2021-09-15 (Released:2021-09-15)
参考文献数
70

本稿では,21世紀に入り急激に注目が集まった接合関数モデルに関して,その本質的要素を簡単におさらいし,その歴史的展開を短く振り返った後,ファイナンス,保険数理,生存解析・寿命データ分析における応用例の検討を通じて,接合関数モデリングの特徴・利点・欠点を明らかにする.特に,2007–9年の世界金融危機において,接合関数モデルがどのような役割を演じ,どのような批判を浴びたのかについては,詳細に吟味する.