著者
田栗 正章
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.193-228, 2017-03-31 (Released:2017-12-05)
参考文献数
26

本稿は,2 つの部分から構成されている.第I 部では,これまでの研究において考察した,3 種類の最適化問題と解の安定性について,その概要を紹介する.具体的には,いくつかのパラメータの最尤推定値に対する安定性問題,2 次制約がある場合の相関係数最適化問題,および最適層別とその安定性の問題である.特に,これら3 種類の問題における安定性については,多少の補足的な検討を行う.第II 部では,我が国の統計教育における現在の諸課題を指摘し,今後の統計教育の目指すべき方向についての検討を行う.また,それらの諸課題への対応策や,いくつかの提案も行う.
著者
大森 裕浩
出版者
日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.305-344, 2001
参考文献数
120
被引用文献数
9
著者
加藤 昇吾
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.85-111, 2017-01-10 (Released:2017-08-30)
参考文献数
48

円周上のコーシー分布は,円周上で定義される確率分布の1つである.本稿では,この分布に関連した2つの話題を提供する.1つは円周上のコーシー分布について知られている結果を紹介することである.具体的にはこの分布に関して,基本的な性質,導出法,パラメータ推定,メビウス変換との関連,フォン・ミーゼス分布との比較,などを概説する.2つめの話題は,円周上のコーシー分布に関連した統計モデルのレビューである.特に,円周上のコーシー分布の2変量拡張を与えたKato and Pewsey (2015)の結果については,ある程度詳しく説明する.彼らの分布に関して,確率密度関数,パラメータの解釈,周辺分布と条件付分布,相関係数,パラメータ推定などについて議論し,解析的に扱いやすい多くの性質を持っていることを紹介する.
著者
丸山 祐造
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.143-170, 2015-09-30 (Released:2016-05-30)
参考文献数
25

多変量正規分布やそれを拡張した球面対称分布のパラメータ推定や予測問題において生じるスタイン・パラドクスに関して概説する.特に,分散既知のもとでの多変量正規分布の平均ベクトルの推定,平均ベクトルの推定と予測分布の関係,線形回帰モデルにおけるパラメータ推定を扱う.推定量や予測分布の決定理論的な良さを考える際に,ベイズ推定量やベイズ予測分布が重要な役割を果たすことを概観する.
著者
金子 隆一
出版者
一般社団法人日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.345-377, 2001-12
著者
矢野 浩一
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.189-216, 2014-09-26 (Released:2015-04-30)
参考文献数
59
被引用文献数
1

本稿では,粒子フィルタ,粒子平滑化,粒子フィルタによるパラメータ推定を解説する.粒子フィルタは非線形・非ガウス状態空間モデルの状態推定を実行するシミュレーションベースのアルゴリズムであり,1990年代初頭に発表された後,科学・技術の幅広い分野で活用されてきた.しかし,日本国内ではその知識が十分に普及しているとは言いがたいため,本稿では第2節で粒子フィルタとその適用例,第3節で粒子固定ラグ平滑化の基礎,第4節で粒子固定ラグ平滑化へのリサンプル・ムーブ法の適用,第5節で粒子フィルタと自己組織化状態空間モデルによるパラメータ推定,第6節で実物景気循環モデルの基礎と粒子フィルタを用いた状態推定例を解説する.
著者
各務 和彦
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.59-68, 2015

線形回帰モデルにおける説明変数の被説明変数に対する限界的な効果は対応する回帰パラメータそのものであるため直感的で扱いやすい.しかしながら,空間計量経済モデルにおいては,他地域の影響が入ってくるため線形回帰モデルのように限界的な効果を容易に扱うことができない.本稿ではLeSage and Pace (2009)によって提案された説明変数の被説明変数に対する限界的な効果を自地域における直接効果と他地域からの間接効果に分解する方法を解説し,日本の道路利用についての応用例を示す.
著者
久保川 達也 江口 真透 竹村 彰通 小西 貞則
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.257-312, 1993 (Released:2009-09-30)
参考文献数
511

統計的推測理論は多方面にわたって発展しているが,ここではこの発展を,決定論的観点からの推定論,微分幾何的アプローチによる漸近理論,検定論,プートストラップ法,の4つのトピックにわけそれぞれのトピックに章をあてて概観する.全体の内容を調整した後,第1章を久保川,第2章を江口,第3章を竹村,第4章を小西がそれぞれ執筆した.トピックごとに文献もかなり明確にわかれるため,参考文献も各章ごとに与えてある.統計的推測理論のような大きな分野の発展を概観する際には,その中で何が重要な発展であるかなどについてさまざまな観点がありえる.ここでの概観も,それぞれの執筆者の観点にある程度引き寄せた概観となっていることをお断りしておきたい.