著者
塚本 洋太郎 田中 豊秀
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.147-154, 1964

1. 前報にひき続き電照下のキクに対し, NAAとジベレリンその他の植物調節物質の単独または混合散布を行ない, キクの発蕾に対する抑制効果を調べた。抑制栽培用の品種, ディセンバー•キングを使用した。NAAと混用した植物調節物質はジベレリンのほかにアスコルビン酸, チアミン, トリプトファンであつた。栄養素である尿素も使用した。別に10月咲の品種, 新東亜を用いてNAA, ジベレリン, アスコルビン酸, トリプトファンを短日処理開始後に散布し, 開花に対する抑制効果を調べた。<br>2. 無散布では発蕾抑制のあらわれる最低照度は8~12luxであつた。NAA 50ppmを散布すれば約2luxの電照下でも抑制できた。<br>3. NAA 100ppm散布により40luxの電照と同程度に発蕾を抑制することができたが, 生長抑制が著しかつた。NAA 50ppm散布は生長に対する抑制作用が小さく, 2~3luxの電照との組合せにより40luxと同程度の抑制が認められた。<br>4. アスコルビン酸は発蕾に対して抑制的であつた。NAA 25ppmとアスコルビン酸50ppmの混合液散布は低照度においてNAA 50ppmと同程度発蕾を抑制した。チアミンにもその傾向が認められたがアスコルビン酸ほど明らかでなかつた。<br>5. 新東亜を使用した実験でトリプトファン100ppmおよび200ppm散布は開花を抑制した。しかしアスコルビン酸との混合液散布は新東亜の開花に対しても, ディセンバー•キングの発蕾に対しても抑制の作用が認められなかつた。<br>6. ジベレリン50ppm散布は発蕾に対し抑制的であつた。NAAとジベレリンの50ppm混合液散布はNAA50ppm散布に比べ著しく発蕾を抑制した。NAAとジベレリンとの間に相助作用のあることを示している。花の品質には影響なかつた。<br>7. NAA 25ppmと尿素1%の混合液散布はNAA 50ppm散布と同程度発蕾を抑制する傾向がみとめられた。<br>8. この実験からキクの電照抑制栽培において, 設備不じゆうぶんによる照度の不足はNAAとジベレリンとの50ppm混合液散布により, 12luxの低照度でも発蕾を抑えることが可能であるといえる。
著者
塚本 洋太郎 今西 英雄 矢原 弘子
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.231-239, 1968 (Released:2007-07-05)
参考文献数
14
被引用文献数
3 3

アフリカン•マリーゴールド1品種 (ポット•オブ•ゴールド), フレンチ•マリーゴールド4品種 (バターボール, ファン•タンゴ, ノーティ•マリエッタ, プチ• ハーモニー), シグネット•マリーゴールド1品種 (ウルスラ) を用いマリーゴールドの日長反応を研究した。実験結果からマリーゴールドは相対的短日植物であることがわかつたが, 3系統のうち, アフリカン•マリーゴールドは短日要求性が最も弱く, シグネット•マリーゴールドは最も強かつた。フレンチ•マリーゴールドは中間であつたが, 品種により反応差がみられた。アフリカンおよびフレンチ•マリーゴールドは日長に関係なく花芽分化を行なうが, 花芽発達は長日によつて抑制され, 短日によつて促進される。シグネット•マリーゴールドも同じ傾向を示すが, 花芽分化も長日によつてやや遅らせられる。フレンチおよびシグネット•マリーゴールドの場合, 短日が開花を促進し, 開花数を多くさせることは, これらを鉢ものまたは花床の苗として用いる際に利用することができる。