著者
荒井 他嘉司 塩原 順四郎 塩沢 正俊 岩井 和郎
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.7-13, 1976-03-10 (Released:2010-10-22)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

肺野型肺癌切除例44例について陰影増大速度を計測し, 検討した. 肺野型肺癌のほぼ全例を2cm以内で発見するのに必要な検診間隔は6ヵ月であり, それを3cm以内にとれば, 必要な間隔は8ヵ月であると結論された. また, 定期検診発見時の大きさを33例について測定し, 組織型別に検討したところ, 定期検診で発見しうる陰影の最小限界は組織型によって異り, 末分化癌, 類表皮癌および腺房・腺管型腺癌では0.6cmであるが, 乳頭型および肺胞上皮型腺癌では1.0cmないし1.5cmと考えられた.