著者
塩境 一仁 鍵村 達夫
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.90-94, 2014-03-25 (Released:2014-04-30)
参考文献数
8

ケース・クロスオーバー研究は,研究の対象とするイベントが発現したケースだけの情報を使った研究であり,自らのデータからコントロールを得るため,セルフ・コントロールド・スタディに分類される.ケース・クロスオーバー研究が妥当な研究になるためには多くの制約がある.一方でケース・クロスオーバー研究が妥当な研究条件下では,ケース・クロスオーバー研究はコントロール群の患者の情報を別途収集する必要がなく,また遺伝情報や背景情報が一致したコントロールが得られるなど多くの利点がある.本稿では近年疫学研究で利用されているケース・クロスオーバー研究の概略をまとめた.(薬剤疫学 2013; 18(2): 90-94)