著者
塩沢 健太
出版者
北里大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2020-04-24

弦が見るミクロ領域の時空構造は点粒子が見るものとは異なり、弦の巻き付きモードが重要な量であるため、これが時空に及ぼす影響について理解したい。そのためにDouble Field Theory (DFT)と呼ばれる、弦の巻き付き効果を明白に含む重力理論を用いる。超弦理論では、古典的には裸の特異点と思われていた時空解が何らかのメカニズムで特異点が解消されると期待される。また、超弦理論の議論ではミクロ領域においては弦の巻き付きモードが支配的であることが知られている。我々は、この特異点を隠すメカニズムは弦の巻き付き効果によるものと予想し、弦の巻き付きにより時空構造が変化することをDFTを用いて示す。