- 著者
-
塩濱 愛子
- 出版者
- 慶應義塾大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2005
前年度、本研究の結果として典型的な欠失領域の両端であるLCR22-2とLCR22-4周辺及び欠失領域から、多型が見込まれる20塩基対程度のマイクロサテライト領域を36箇所抽出し、これらのPCR産物を蛍光標識・多型同定する高速ジェノタイピング解析法を確立した。その結果、多型が認められる24箇所のマーカーを選別した。本年度は、患者由来の培養細胞を用いて本解析法の妥当性を確認した。22q11.2微小欠失が確認されているDGS患者より樹立された細胞株(GMO7939B、GMO5876、GM13325、GM10382A、GMO3479、GMO7215)からゲノムDNAを抽出し、この設計されたプライマー群を用いて微小欠失領域に対するジェノタイピング解析を行った。また、実際に欠失領域を検出する際に問題となるのは、ゲノムDNAの精製法である。現在はFISH法による診断法のため血液採取が必要となるが、本方法では少量のゲノムDNAのみで解析可能である。そこで口腔粘膜からのゲノムDNA採取法を検討し、歯間ブラシで軽く10回こする程度で、本解析に必要とする十分量のDNAを採取できることを確認した。