著者
石橋 隆幸 塩田 達俊
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ナノ領域での磁気特性を評価するため、アパーチャーレスプローブを用いたSNOMの構築と、偏光特性の調査をおこなった。その結果、約10 nmの空間分解能と良好な偏光特性を実現するとともに、アパーチャーレスSNOMにおいて問題であった背景光と信号光の分離に成功した。FDTDシミュレーションでは、実験で得られた偏光特性をほぼ正確に再現することに成功し、プローブ周辺の電場分布を理解することができた。さらに、時間分解測定を実現するための装置の構築を行った。
著者
塩田 達俊
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

高分解能な分光システムは基礎科学から応用まで幅広いニーズがある。これまで分解能1MHz、計測範囲100GHzと高性能なシステムが実現されているが、光周波数標準や物理化学過程の追跡などの進展のためにさらに性能の向上が望まれてきた。申請者は課題実施までに単側波(SSB)光変調器を用いて光周波数を高精度に且つプログラマブルに制御してスペクトル計測システムの実現を図ってきた。本研究課題では、SSB光変調器スペクトル計測システムの分解能を向上し、これまでの周波数制御システムをベースにして、新たに周波数安定化した光源を導入してシステムの性能を発展させることを目的とした。平成19年度は、前年度までに構築した高分解スペクトル計測システムの計測範囲の広帯域化をはかった。また、光変調器を用いたシステム全体を構築して計測精度の確認を行った。具体的には5THz以上の周波数帯域を示す光周波数コムを光源として光フィルタにより個々のピークを切り出し、光変調器による高精度な光周波数掃引を行う実験系を構築した。光ファイバとインライン半透鏡を組み合せて構築した1MHz線幅の共振器の透過スペクトルを計測することで、実測値として1MHzの分解能を確認した。さらに、H^<13>C^<14>Nガス(圧力約1Tprr、長さ約80cm)を用いた繰り返し計測から1MHz以下の光周波数計測精度を得た。また、光フィルタの掃引による光周波数コムのピークを選択することで1THz以上の計測帯域を得ることを確認した。