- 著者
-
村田 和弘
長 卓德
境 銀子
西田 美千子
- 出版者
- 日本静脈経腸栄養学会
- 雑誌
- 静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.3, pp.833-838, 2013 (Released:2013-06-20)
- 参考文献数
- 20
【目的】経鼻経管栄養法 (CNG) は使用頻度が高いが、逆流性肺炎の危険性が高いと考えられる食道上部に達する酸逆流については明らかとなっていない。八女リハビリ病院 (当院) でCNG患者における上部食道への酸逆流の頻度および程度を測定した。【対象と方法】当院のCNG患者19名 (男性5名、女性14名) で、センサーが胃内と25cm離れた上部食道内にあることをX線で確認し24時間のpHを計測した。上部食道のpHが4.0未満の時間帯が5%以上ある場合と上部食道pHが4.0未満となった時間が30秒以上続く場合を酸逆流ありと判定した。【結果】3名 (15.8%) に上部食道まで酸逆流がみられた。逆流群の年齢は85歳、チューブ径は12Frで、留置期間は47日であった。非逆流群の年齢は84歳、チューブ径は13Fr、留置期間は47.5日であった。【結語】CNG中の上部食道までの酸逆流を認めたのは15.8%で、上部食道までの酸逆流と逆流性肺炎発症リスクとの関連性については今後の検討が必要である。