- 著者
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増田 嘉孝
塩見 康
三角 省三
- 出版者
- 公益社団法人 日本化学会
- 雑誌
- 日本化学会誌 (ISSN:03694577)
- 巻号頁・発行日
- vol.1974, no.9, pp.1645-1648, 1974
- 被引用文献数
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4
トリス(1,2-ジチオナト)クロム(III)錯体を合成し,錯体の組成を元素分析から,配位子の結合の性質を赤外吸収スペクトル,電子スペクトルの解析,ポーラログラフィーによって電荷移動反応を検討した。,元素分析値から得た錯体の組成はCr(S<sub>2</sub>C<sub>2C</sub>(C6H<sub>5</sub>)2)3である。この錯体の合成法は本文に記述する。赤外吸収スペクトルの結果はC=Sの伸縮振動がクロム(III)錯体では1165と1O<sup>2-</sup>0cm営1に示され,また摂動によるM-S伸縮振動が420,355cm<sup>-1</sup>に示された。磁化率の測定はクPム(0)錯体が反磁牲であることを示す。ポーラPtグラフィ,-には白金回転電極(直径1mm,回転数600rpm),アセトニトリルージクロロメタン混合溶媒(1:1),支持…壇(C<sub>2C</sub>H<sub>5</sub>)4NCIO,を用いた。得たポーラログラムは良好で,可逆性-電子還元で,その電極反応はである。電荷移動錯体と考えられ,電子スペクトルの結果もそれを示す。