著者
河原 英紀 増田 郁代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.96, no.235, pp.9-16, 1996-08-29
被引用文献数
50

基本周波数の情報を利用したスペクトログラムの適応的補間とオールパスフィルタ特性の組織的設計に基づく音声変換方法STRAIGHT (Speech Transformation and Representation using Adaptive Interpolation of weiGHTed spectrum) を提案する. 本方法では, 音声の基本周波数に適応した時間窓を用いて分析したスペクトログラムに対して, 双一次曲面を保存しかつ時間周波数方向での広がりが最小となる補間関数を用いた補間操作を行なうことで音源の周期性の影響の除去と分解能の確保を両立させている. その結果, 話速, 基本周波数, 声道長等のパラメタの600%に及ぶ変換に対しても自然な音質での再生が可能となった. また, ヘッドフォン受聴の場合に問題となるパルス駆動音源特有の音色を除去するためのオールパス特性を有する音源波形の構成方法についても論ずる.
著者
河原 英紀 増田 郁代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.449, pp.19-24, 1997-01-17
被引用文献数
12

音声の時間周波数特性を有声音の周期性についての新しい観点に基づいて復元することに基礎を置く音声分析・変換・合成方法STRAIGHT (speech Transformation and Representation using Adaptive Interpolation of weiGHTed spectrogram) の近似特性の改良について報告する。本資料では、STRAIGHTで用いていた区分的一次関数が2階のカーディナルB-スプラインであることに注目し、スプライン関数近似理論に基づいて近似特性を評価し、改良方法について説明する。また、この改良を有効に機能させるため、二つの相補的な窓関数を組み合わせて、零を含まないパワースペクトルを計算する方法を提案する。これらの改良の結果、STRAIGHTによる分析合成音声は、ヘッドフォンによる受聴の際にも、場合によっては、原音声と区別がつかない程度に改良された。