著者
宗森 純 増野 宏一 伊藤 淳子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.527-537, 2019-02-15

本研究ではスマート端末からのユーザの状況情報(位置情報,心拍情報,歩行数)がある条件を満たした場合,小型冷蔵庫に飲料があるかどうかを確認し,ある場合は自動的にスイッチが入りユーザに知らせるIoTシステム“KADEN”を提案する.“KADEN”はスマートウォッチとスマートフォンのセンサにより各種状況情報を取得する.また小型冷蔵庫に飲み物があるかどうかもセンサにより自動的に検出できる.各種センサを用いて自動的に冷蔵庫を制御する場合と手動で制御する実験を行った.実験を行った結果以下のことが分かった.(1)システム全体の評価では状況情報を用いて自動的に小型冷蔵庫を制御する場合と手動で制御する場合では有意差はなかった.(2)状況情報で必要と思われるのは位置情報,歩行数,心拍情報の順である.(3)スマートウォッチのユーザビリティの評価は高かった.(4)飲み物があるかどうかが自動的に分かることの評価が必要性と便利さの面で高かった.