- 著者
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夏目 耕一
佐伯 孝尚
川口 淳一郎
- 出版者
- 一般社団法人 日本航空宇宙学会
- 雑誌
- 宇宙技術 (ISSN:13473832)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.11-18, 2004 (Released:2004-03-27)
- 参考文献数
- 4
多くのフォーメーションフライトミッションでは衛星群は適切な相対位置関係を維持することが求められる.現在衛星フォーメーションフライトに関する相対航法,誘導制御に関する研究が盛んに行われている.しかしながら,それらの研究の多くは,複数衛星をある幾何的な配置に誘導,維持するための燃料消費を前提とした積極的な制御に関する研究である.本来は燃料消費を抑制しミッション寿命の長期化を図るという意味でも,制御をすることなく衛星間の相対位置を受動的に,または自動的に維持したいという要求があるのだが,そのような研究はかなり稀である.また,過去のフォーメーションフライト関連の論文は慣性系での運動を扱ったものや,軌道運動を考慮したとしても円軌道周りの線形化された簡単なHillの方程式を扱ったものがほとんどである.しかし,実際の衛星ミッションは円軌道のみとは限らず,むしろ楕円軌道が必要とされるものも多い.そこで本研究は,楕円軌道上で軌道制御を積極的に行うことなく衛星群の相対位置関係を維持する軌道の設計法について扱った.軌道設計の際の解は解析的に得られ,結果は相対位置関係をよく保つものであり有意であることが分かった.