著者
國中 均 西山 和孝 清水 幸夫 都木 恭一郎 川口 淳一郎 上杉 邦憲
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.52, no.602, pp.129-134, 2004 (Released:2004-05-20)
参考文献数
11
被引用文献数
5 6

The microwave discharge ion engine generates plasmas of the main ion source as well as the neutralizer using 4GHz microwave without discharge electrodes and hollow cathodes, so that long life and durability against oxygen and air are expected. MUSES-C “HAYABUSA” spacecraft installing four microwave discharge ion engines was launched into deep space by M-V rocket on May 9, 2003. After vacuum exposure and several runs of baking for reduction of residual gas the ion engine system established the continuous acceleration of the spacecraft toward an asteroid. The Doppler shift measurement of the communication microwave revealed the performance of ion engines, which is 8mN thrust force for a single unit with 3,200sec specific impulse at 23mN/kW thrust power ratio. At the beginning of December 2003 the accumulated operational time exceeded 7,000 hours and units.
著者
山川 宏 川口 淳一郎
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.39, no.9, pp.559-563, 2000-09-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
9
被引用文献数
1
著者
森 治 佐伯 孝尚 白澤 洋次 加藤 秀樹 船瀬 龍 大野 剛 松本 純 中条 俊大 菊地 翔太 寺元 祐貴 矢野 創 中村 良介 松浦 周二 川口 淳一郎
出版者
一般社団法人日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.117-122, 2015-04-05

ソーラー電力セイルはソーラーセイルにより燃料を節約できるだけでなく,太陽から遠く離れた場所でも,大面積の薄膜太陽電池を利用して探査機に十分な電力を確保できる.ソーラー電力セイルで得た電力を用いて,高性能なイオンエンジンを駆動すれば,ソーラーセイルと合わせたハイブリッドな推進が可能となる.JAXA ではこのコンセプトを踏まえ,ソーラー電力セイルによる外惑星領域探査計画を提案している.本計画では,日本独自の外惑星領域探査技術を確立し,日本が太陽系探査を先導すること,および,新しい科学分野であるスペース天文学等を切り拓くことを目指している.本稿では,本計画について紹介し,初期検討結果を示す.
著者
川口 淳一郎 森田 泰弘 澤井 秀次郎
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.1-180, 1995-09

本書は, 文部省宇宙科学研究所が平成7年1月15日に打ち上げたM-3SII型ロケット第8号機の第2段飛翔中に発生した姿勢異常について行った技術検討結果を報告するものである。本書は, M-3SII-8号機調査特別委員会の報告書ではなく, 内容は, 技術検討結果のみを報告するものである。過去, 今号機において行われた飛翔前試験の実施状況や, 体制を含めた不具合発生との関連, 再発防止などについては, 同調査特別委員会の最終報告書にゆずる。内容は, 何回かの調査特別委員会にて検討に供された技術資料を, 順次章ごとにたどる形式が採られている。本書では, 以下の同委員会報告内容の主たる点を, この冒頭で記述するにとどめる。「姿勢異常の原因は, 制御系を介した構造振動モードの励振に端を発した姿勢制御用噴射体の枯渇にあったことが明らかとなった。制御系が自励的に構造振動を発振せしめた原因は, 今第8号機におけるペイロード重量増により, 姿勢検出部における構造振動モードが不安定側に大きく転じていたことと, 同じ理由により構造振動に対する制御利得が著しく大きな値となっていたためである。M-3SII型ロケットの開発にあたっては, その初号機の飛翔前においては, 構造振動モード解析ならびにそれら柔軟性を考慮した制御系解析が行われたのであるが, 1)初号機においては剛体性が極めて高いことが数値指標で確認されていたこと, 2)姿勢検出部は初号機においては第1次構造振動モードの腹の位置にあり少なくとも線形性の成立する範囲ではペイロード重量の構造振動モードの制御安定性におよぼす感度は十分小さいと判断されていたこと, 3)今号機の飛翔以前の7回の飛翔を通じて第1次構造振動モードは励振はもちろん検出されたことがなかったことから, 今第8号機の飛翔前においては, 依然として剛体性近似が適用できると判断し, 構造振動モード解析および柔軟性を考慮した制御系検討は行われなかった。これが今回の不具合を事前に発見するにいたらなかった理由である。」
著者
矢田 達 安部 正真 岡田 達明 中村 智樹 野口 高明 岡崎 隆司 石橋 之宏 白井 慶 上椙 真之 唐牛 譲 八亀 彰吾 上野 宗孝 向井 利典 吉川 真 川口 淳一郎 藤村 彰夫
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.68-77, 2013-06-25

地球外物質の採取・記載・保管および配布の目的で発足したJAXAキュレーションセンターでは,現在は小惑星イトカワにタッチダウンした探査機「はやぶさ」の試料を取り扱っている.「はやぶさ」から分離して地球帰還した再突入カプセルを受け入れ,その内部の試料コンテナを取り出してクリーンチェンバー内に導入し,開封を行った.試料コンテナ内の残留ガスから地球外起源の希ガスは検出できなかったが,キャッチャー内部からは主にケイ酸塩鉱物から成る微粒子を回収した.初期記載の結果,それらの鉱物比・鉱物組成がLL4-6コンドライト隕石に近いことが分かり,イトカワ試料と確認された.現在までに400個以上の粒子の回収・初期記載を行い,そのうち8割がイトカワ粒子だった.キュレーションセンターではこの試料を初期分析チーム,NASA,国際公募研究に対して配布し,多様な科学成果が挙がっている.
著者
二宮 敬虔 上杉 邦憲 川口 淳一郎 横田 博樹 村中 昇 滑 孝和 北出 賢二 小笠原 雅弘 木村 雅文 土橋 雅之
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-45, 1986-03

To support the operation of onboard AOCS (Attitude and Orbit Control System) of "SAKIGAKE" and "SUISEI", ground support software for attitude control and orbit correction was developed. The software, named POPS (PLANET-A AOCS Operation Software), has the function of (1) generating the commands for RCS thruster control and HGA (High Gain Antenna) despin control, (2) simulating spacecraft attitude dynamics to confirm the generated RCS control commands. (3) performing orbit correction analysis to provide the optimum ⊿V-maneuver under various maneuvering constraints, (4) estimating RCS fuel consumption, and (5) conducting the calibration of RCS thrusters. In this paper the functions of POPS are described in detail. The operational results of "SAKIGAKE" and "SUISEI" in orbit are also presented.
著者
橋本 樹明 久保田 孝 出村 裕英 齋藤 潤 安部 正真 岡田 達明 藤原 顕 川口 淳一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, no.1, pp."SS-12"-"SS-13", 2005-03-07

2003年5月に打ち上げられた工学実験探査機「はやぶさ」は2005年夏に小惑星ITOKAWAに到着後、表面のサンプルを採取して2007年に地球に持ち帰る計画である。サンプル採取の前に、高度約10kmの地点から2ヶ月程度、可視光カメラ、近赤外線センサ、X線センサを用いて小惑星の観測を行い、科学観測とともに、着陸地点の選定に役立てることとしている。本稿では、「はやぶさ」の観測センサと観測計画の概要を述べる。
著者
川口 淳一郎
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.1, 2011

はやぶさは世界初の地球外物質のサンプルリターン技術の実証を目的に,2003年5月9日,内之浦宇宙センターよりM-Vロケットにより打ち上げられました.その後,7年間,幾多の苦難と困難の惑星間航行の後,2010年の初めにイオンスラスターエンジンによる地球への帰還を果しました.この無事の帰還後の再突入において,はやぶさは,小惑星イトカワからのサンプルをつめた小さなカプセルを無事に放出しました.そのカプセルは地球大気圏内のオーストラリアの砂漠へ,2010年6月13日に到達し,6月15日には無事に回収を果しました.
著者
川口 淳一郎
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-56, 1986-12

This report summarizes the future trend in the weight of scientific satellites in Japan which will be launched or programmed in the late twentieth century. Among the several missions contained in this report, particular interest is directed to the interplanetary probes and astronomical observatory satellites. In the estimation of spacecraft weight, each component is systematically estimated based on the satellites which have already been launched or designed. Major result is that 3 ton LEO payload capabidity is needed in future transporter in order to accomplish the missions mentioned here.
著者
長瀬 文昭 田中 靖郎 堂谷 忠靖 石田 学 紀伊 恒男 伊藤 真之 松岡 勝 柴崎 徳明 大橋 隆哉 国枝 秀世 田原 譲 北本 俊二 三原 建弘 田中 靖郎 CANIZARES C. RICKER G. 鶴 剛 粟木 久光 河合 誠之 吉田 篤正 SERLEMITSOS アール 林田 清 BREON S. 海老沢 研 VOLZ S.V. KELLEY R. HELFAND D. MCCAMMON D. 常深 博 牧島 一夫 満田 和久 村上 敏明 小山 勝二 山下 広順 小川原 嘉明 宮本 重徳 MUSHOTZKY R. 槇野 文命 HOLT S. 井上 一 SERLEMITSOS R. 川口 淳一郎 中川 道夫 藤本 光昭 長瀬 文昭 松尾 弘毅 上杉 邦憲 WANG B. FEIGELSON E. GRAFFAGNINO V. REYNOLDS C. 羽部 朝男 GEHRELS N. FABBIANO G. SERLEMITSOS RICKER G 山内 茂雄 池辺 靖
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

「あすか」(Astro-D)は、1993年2月に打ち上げれられ、わが国4番目のX線天文衛星となった。この衛星は0.5-10keVの広いエネルギー帯をカバーし、史上最高の感度でX線天体の撮影を行うと共に、世界で初めてX線CCDによる精密X線分光を行う高性能X線天文台である。「あすか」の性能はX線天文学を飛躍的に進めるものと国際的に注目されている、X線天体は極めて多岐に亘り、殆どあらゆる種類の天体がX線天文学の対象となっている。特に銀河系では中性子星やブラックホールのX線連星、超新星残骸等、銀河外では、銀河団、クェーサー等の活動銀河中心核、更に遠方からのX線背景放射が重要課題である。この衛星に搭載されている観測装置は日米共同で製作された。打ち上げ前には、装置の設計・製作・試験・較正・調整を、打ち上げ直後には装置の較正・調整を共同で行ってきた。さらに、定常観測に入ってからは、装置の性能の正確な把握や正しいデータ解析のツールの提供等でも共同で作業を行うとともに、その成果を最大限に挙げるために、観測計画の打ち合わせ、ソフトウエア開発、観測結果の処理、解析等の各過程で両国の研究者が協力して作業を行ってきた。これらの作業のための日米研究者の移動は、主に、本科学研究費によって行われた。これら日米協力に基づく「あすか」がもたらしたいくつかの成果を以下にまとめる。・「あすか」が打ち上がって40日もたたないうちに近傍銀河M81に発生したSN1993Jからは、ドイツのX線天文衛星ROSATとほぼ同時にX線を検出した。発生して1週間ほどの超新星からX線を検出したのは今回がはじめてである。・超新星の爆発で飛び散った物質が星間物質と衝突して光っている超新星残骸について、「あすか」のすぐれた分光特性による新しい学問的展開がひらかれている。・ガンマ線バーストと呼ばれる特異な現象の発生源をはじめて既知の天体との同定に成功し、この現象の原因の解明に大きな貢献をした。・われわれの銀河系の中心部や円盤部を満たす高温ガスからのX線の分光的研究が進み、従来の予想では理解し難い事実があきらかになりつつある。・楕円銀河、銀河群、銀河団といった宇宙の大きな構造物をとりまく高温ガスの分光学的研究が進み、これらのガス中の重元素量が一貫して少ないという、新しい考え方の導入を迫る事実があきらかになってきた。また、これらの構造物を構成する暗黒物質の分布や量についても新しい知見が得られつつある。・遠方の銀河団をつかった宇宙の大きさを決める研究も、「あすか」の広い波長範囲の分光を行える能力をつかって、着々と成果をあげつつある。・活動銀河の中心にある大質量ブラックホールのごく近傍からのものとおもわれる鉄の輝線構造をはじめて発見し、ブラックホール近傍での物質流につき貴重な情報をもたらしている。この中心核を取り巻く比較的遠方の物質や分布の物理状態についても「あすか」のすぐれた分光性能により新しい事実が次々と明らかになってきている。・宇宙X線背景放射の研究も、「あすか」の波長範囲の広さを利用して、宇宙のはて近い遠方の宇宙初期の原始天体を探る研究がはじまりつつある。以上のように、本科学研究費補助金の援助のもと、「あすか」を用いた日米の研究者による共同研究は大きな成果をあげている。
著者
川口 淳一郎 稲谷 芳文 米本 浩一 細川 繁
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.3-199, 1987-03

宇宙研における有翼飛翔体の研究は, 1982年に WG が発足して以来今日に至るまで, 2機のリモートコントロールによる機体動特性の同定試験, 計5機の低速滑空試験と飛翔試験を行なってきた。そして, 1988年度には初のブーストフェーズを導入した再突入実験機をロックーンにより打ち上げることになった。この実験機は, 小型ながらもリアクションコントロール, サーフェスコントロール, 対気および慣性姿勢検出という将来型の機体にも共通な機能をもち, 求められる制御能力もまた従来宇宙研では行なったことのない新規のものである。本報告は, この新たな飛行制御系の設計の経緯と基本的な考え方についてまとめたものである。特に, かなり高い応答性が要求されたモーションテーブル試験については, 実験結果と設計の見直しというプロセスを詳しく記述している。本文は, 今後の設計, 試験に反映させやすいように, 設計データ集の形で構成されている。
著者
松本 道弘 川口 淳一郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.43-52, 2005 (Released:2006-01-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

今日の電気推進機関の技術進歩により,高比推力の推進機関が実用化されるようになり,さまざまな惑星探査が可能となった.そして今後も,火星や木星をはじめとする,深宇宙の惑星を探査する機会が増えていくと考えられている.宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部では,地球近傍ではなく地球引力圏界に,中継拠点として深宇宙港を建設しようという検討を行っている.本研究では,太陽-地球系L2点に深宇宙港を設置することを想定し,低推力推進機関を搭載した宇宙機によるL2点を発着地とした深宇宙往還システムを考え,その脱出軌道を論じる.また同時に,本軌道設計において地球と同期する回帰惑星間軌道上で軌道エネルギーを離心率の拡大によって蓄積する手法(Electric Delta-V Earth Gravity Assist(EDVEGA))が有効であることを示し,EDVEGA軌道への接続を考えた脱出軌道についても提案する. なお,本検討は,その対称性からL1点深宇宙港に対しても,同様に当てはめることができる.
著者
山本 高行 稲葉 歩 川口 淳一郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.35-44, 2003 (Released:2003-12-16)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本論文では,いわゆる空力上昇径路を飛行する機体の最適誘導則を新たに提案する.まずDCNLP法により最適解を示す.次に直接最適法であるSQP法により別の解を示す.後者の手法ではある直交関数で表現された操舵角を利用することにより,効率的にまた容易に実行することができる.本論文の主な結果は操舵則の解析的表現を示したことである.これは最適性の議論に関連するものである.これによ り従来の線形タンジェント則は揚力を発生しない機体のみに適用可能であることがはっきりと結論される.同時に最適誘導則は三角関数形式を従来の線形タンジェント則に加えることで得られることが結論づけられる.本論文で得られた結果はさらに数値的デモンストレーションによる誘導方策へと最適化プロセスを拡張している.線形化遷移運動が解析モデルによく一致しているため,本論文の結果 は実際的な正当性を示すことに成功している.機体パラメタがノミナル値から変化したり,パラメタ値に対する感度といった誘導計算例もまた示される.
著者
夏目 耕一 佐伯 孝尚 川口 淳一郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.11-18, 2004 (Released:2004-03-27)
参考文献数
4

多くのフォーメーションフライトミッションでは衛星群は適切な相対位置関係を維持することが求められる.現在衛星フォーメーションフライトに関する相対航法,誘導制御に関する研究が盛んに行われている.しかしながら,それらの研究の多くは,複数衛星をある幾何的な配置に誘導,維持するための燃料消費を前提とした積極的な制御に関する研究である.本来は燃料消費を抑制しミッション寿命の長期化を図るという意味でも,制御をすることなく衛星間の相対位置を受動的に,または自動的に維持したいという要求があるのだが,そのような研究はかなり稀である.また,過去のフォーメーションフライト関連の論文は慣性系での運動を扱ったものや,軌道運動を考慮したとしても円軌道周りの線形化された簡単なHillの方程式を扱ったものがほとんどである.しかし,実際の衛星ミッションは円軌道のみとは限らず,むしろ楕円軌道が必要とされるものも多い.そこで本研究は,楕円軌道上で軌道制御を積極的に行うことなく衛星群の相対位置関係を維持する軌道の設計法について扱った.軌道設計の際の解は解析的に得られ,結果は相対位置関係をよく保つものであり有意であることが分かった.
著者
佐伯 孝尚 夏目 耕一 川口 淳一郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.19-25, 2004 (Released:2004-05-15)
参考文献数
5

In recent years, there has been impending interest in the formation flying with many satellites. Multiple satellite system enhances the missions' flexibility with less total mass and cost, and realize some missions that were impossible with a single satellite. At the Institute of Space and Astronautical Science (ISAS/JAXA), the plasma and magnetic field observation missions with several satellites is under investigation. The mission under consideration is designated as SCOPE(GEOTAIL-II). The observation area of the SCOPE mission is twenty or thirty earth radii away from the center of the earth where the geomagnetic field has interaction with the energetic particles from the sun. Therefore its orbit becomes highly elliptic. In the observation area, the formation of plural satellites is requested to constitute a polygon that assures the high spatial resolution observation. This study show the orbital design method for the SCOPE mission. The frozen property that maintains high spatial resolution near the apogee is found feasible for elliptic orbit. Numerical examples are presented with practical illustrations.