著者
岩崎 英治 中嶋 龍一朗 多和田 寛 石井 一騎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.440-457, 2018
被引用文献数
1

積雪寒冷地では,スパイクタイヤの使用禁止以降,凍結防止剤として大量の塩化物を散布しているため,路面上の凍結防止剤の飛散による腐食事例が報告されている.しかし,路面上に散布された凍結防止剤の散布量と鋼桁部への飛来量の関係や腐食に関する十分な知見は得られておらず,凍結防止剤を散布する地域に関しては,高知道での鋼材の腐食状況に基づいた配慮事項があるのみである.そこで,長野県内の平地部に建設された上信越道と長野道の複数の橋梁,高知県と愛媛県の県境付近の高知道の複数の橋梁を対象に,凍結防止剤の散布量と鋼桁部への飛来量,鋼材の腐食量の関係を定量的に調べた.また,凍結防止剤を散布する地域での耐候性鋼橋の適用性に関する検討を行った.