著者
高橋 美樹子 多田 周右 向井 秀幸 松尾 和彦
出版者
帝京平成大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

中心体は分裂期に双極紡錘体を形成して染色体の均等分配に重要な役割を果たす。そのために中心体の複製は細胞周期につき1回だけ、細胞分裂を経た後に開始できるというライセンシング制御が想定されている。その分子機構は未解明であり、染色体分離に関わるタンパク質分解酵素セパレースが必要であることは知られていたがその基質も不明であった。本研究によって、中心体タンパク質kendrinが中心体におけるセパレースの重要な新規基質であり、分裂期におけるkendrinの限定分解とそれによる中心体からの解離が、次の中心体複製開始すなわちライセンシング機構に必要であることを世界で初めて明らかにした。