著者
多田 昇弘
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

マウス精子を室温保存できれば、凍結保存に比べ、保存スペースが少なくて済み、液体窒素を補充する必要もなく、輸送も容易である。本研究では、マウス精子の室温保存技術を確立するために、トレハロース及び緑茶ポリフェノールを含む保存液を用いて真空乾燥させたマウス精子を室温保存し、復水後の受精率及び発生率を確認した。また、一部の保存精子ついて、1年以上の室温保存を行い、産仔の作出も試みた。その結果、トレハロースの室温保存における有効性が明らかになった。また、1年以上(446日)長期室温保存した精子を用いて顕微授精を行い、得られた受精卵の卵管移植により、正常な産仔の作出に成功した。