著者
松岡 縁 中井 菜美 多田 正憲 西垣 敏紀 尾上 幸子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.58-62, 2000 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14

10歳, 男児。3歳よりてんかんがあり平成9年8月からゾニサミド (製品名エクセグラン®) を内服していたが, 発作の出現が続くため徐々に増量されていた。平成10年6月より全身の発汗減少を認め, 熱発も生じたため当院を受診した。初診時ゾニサミド600mg内服中で血中濃度は75. 3 (治療域10-30) μg/ mlであった。ゾニサミド大量投与による発汗減少と考え, 投与を中止したところ, 2日後から発汗を認めた。温熱性発汗を可逆的に抑制しており, その機序としてイオンチャンネルに対する薬理作用を考えた。抗コリン剤以外には同様の発汗障害をきたす薬剤はなく, 特異な副作用として注意を要する