著者
足立 準 毛利 有希 庄田 裕紀子 羽白 誠
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.148-152, 2000 (Released:2010-08-25)
参考文献数
22

27歳, 男性。数年前より治療を拒否して自宅にひきこもり, 重症化したアトピー性皮膚炎患者に, 感染性心内膜炎, さらに播種性血管内凝固 (DIC) をきたし, 死亡に至った症例を経験した。皮膚, 血液培養より黄色ブドウ球菌 (MSSA) が検出され, 皮膚よりの細菌侵入が考えられた。感染性心内膜炎に伴う皮疹として, 手指, 足底に点状出血斑, 爪甲下の出血斑が認められた。
著者
ヨクイニンエキス散研究班
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.762-773, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
17
被引用文献数
2

ヨクイニンエキス散の伝染性軟属腫に対する有用性を検討するため, placeboを対照とし, 二重盲検群間比較試験を実施した。試験期間は12週で, 体重30kg未満は6g/1日, 体重30kg以上は12g/1日を連日経口投与した。有用度および試験開始後4週時の結節残存率において本剤はPlaceboに比し優れる傾向であった。層別解析の結果では, 男児で有意に優れ, さらにアトピー性皮膚炎合併群では優れる傾向が見られた。副作用はヨクイニンエキス散で2例, Placeboで1例を認めたがいずれも軽微であった。以上より, ヨクイニンエキス散は伝染性軟属腫に対し安全かつ有用な薬剤であると結論した。
著者
東 禹彦 久米 昭廣 谷口 龍生 箕田 朋子 荻原 俊治
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4-5, pp.213-217, 2001 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

ベンゾジアゼピン系薬物を長期連用している間に, 激しい痒みを生じ皮膚に掻爬痕を多発した症例を3例経験した。原因となった薬物はクロルヂアゼポキシドが2例, ジアゼパムが1例であった。3例ともこれら薬剤を中止することにより痒みは消失した。2例では再投与により激しい痒みが再現した。原因薬物がベンゾジアゼピン系薬物に限られ, 好酸球増加もなく, 発疹もなく掻爬痕のみなので, 癌痒の原因は中枢性の可能性もある。発疹を伴わない皮膚掻痒症型薬疹と診断した。ベンゾジアゼピン系薬物が連用される疾患は神経症や心気症, ヒステリーなどであることを考えると, 本剤による皮膚癌痒症は見逃されている可能性もあろう。
著者
水越 直子 佐藤 健二
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.1166-1171, 1985

大阪大学医学部附属病院皮膚科外来初診患者台帳と外来カルテをもとに, ステロイド皮膚炎とステロイド座瘡について昭和55年から59年まで経時的に調べた。両疾患の合計患者数は順に30, 26, 31, 30, 45人であり, 近年両疾患が減少しているとは言えず, 逆に, 昭和59年ではその前4年間の約1.5倍であった。原因薬剤として, 最近新たに発売された外用剤による発症の比率が増加傾向にあった。これらのことは副腎皮質ステロイドホルモン含有外用剤による副作用を減少させる対策を立てる必要のあることを示唆しており我々は一つの提案を行った。対照として調べた尋常性座瘡の有病年令は50才代に及んでいた。
著者
田代 実 西岡 清
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.12-14, 1970 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7

1-Chloroacetophenone, active ingradient in a tear-gas, CN, widely used by police authorities in Japan, was found to produce allergic contact dermatitis in exposed demonstrators in high incidence. Of 48 students in a barricade, shot with 1-chloroacetophenone, 37 suffered from acute contact dermatitis varing from erythema to severe bulla. In 15 cases, spontaneous flare-up phenomenon was observed 7 to 14 days after exposure. The results of patch test examinations in man and guinea pigs indicated that 1-chloroacetophenone is a potent sensitizer and a strong primary irritant.
著者
畑 清一郎
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.357-361, 1977 (Released:2010-06-04)
参考文献数
15

本症は夏期, 中年男性の躯幹に好発し遠心性に拡大する傾向を有する紅色小丘疹の集簇より成る皮膚疾患で, 再発をくりかえすことが多い。3年前より夏期になると腹部に本症の再発をくりかえす66才男性の1症例を報告する。
著者
小林 博人 田辺 俊英 鈴木 薫 石崎 宏 井上 久美子 中島 啓雄
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.240-244, 1990 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10

症例1: 52歳, 女性。瘢痕性類天疱瘡。ニコチン酸アミド800mg/日4週間で口腔粘膜疹は消失, 56日間投与。その後の1年間に粘膜疹の出現なし。症例2: 66歳, 女性。水疱性類天疱瘡。ベタメタゾン3mg/日で水疱は消失。ベタメタゾン1mg/日に減量時よりニコチン酸アミド1000mg/日の併用を開始した。ベタメタゾンを6カ月間で中止, ニコチン酸アミドをステロイド離脱後6カ月間投与した。ニコチン酸アミド中止後の6カ月間に水疱の出現なし。両症例においてニコチン酸アミドによる副作用はみられず, 本療法は両疾患に対して有用な治療法と思われた。
著者
門田 明
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.44-82, 1977 (Released:2010-06-04)
参考文献数
63

Candida albicans (以後C. alb. と略) 感染症の発症機序を解明すべくC. alb. の生物学的作用を窒素含有物質, 特にケラチンに対するアミノ酸の動態の面より検討した。C. alb. は亜硝酸ナトリウム及び硝酸ナトリウムを窒素源としては発育せず, 塩化アンモン及び硝酸アンモンを窒素源としては発育することを指摘した。また, C. alb. を接種した糖添加, 非添加単一アミノ酸培地より3種類~8種類のアミノ酸を検出した。菌の発育は糖添加により促進されたが, C. alb. のアミノ酸同化能と培養濾液中の検出アミノ酸の種類及び量との間には一定の関係は認められなかった。糖添加Gelatin培地に比し, 糖添加, 非添加Peptone培地において菌はよく発育した。C. alb. 接種爪添加培地よりCystineを含む15種類~16種類のアミノ酸を検出したが, Prolineは検出されなかった。菌の発育は糖・爪添加培地及び糖・尿素・爪添加培地で著しかった。光顕的, 電顕的観察により培養爪甲内にC. alb. の菌糸及び分芽胞子を認めた。如上の成績より著者はC. alb. のケラチン分解能の存在を確認した。かくして, C. alb. の菌体内外におけるアミノ酸代謝の動態の一端を解明するとともに, C. alb. 寄生の皮膚アミノ酸代謝及び皮膚カンジダ症の感染機序に関し二, 三の新知見を加える所があった。
著者
上出 康二 塩谷 昭子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.511-517, 1999

平成10年7月25日和歌山市園部地区の夏祭り会場で出されたカレーに砒素が混入された事件の被災者で急性期に皮疹が認められた3名について報告した。症例1: 31歳男性。第6病日に肝機能異常の出現と同時に両腋窩, 両股部, 下腹部に点状赤褐色丘疹が左右対称性に集籏して認められた。病理組織学的に血管周囲に稠密なリンパ球の浸潤があったが汗腺などの付属器には異常は認められなかった。症例2: 17歳男性。第6病日に肝機能異常の出現と同時に両大腿, 両肘窩に左右対称性に症例1と同様の皮疹が認められた。組織学的にも症例1と同様であった。症例3: 48歳男。第12病日より四肢末端の葉状落屑が認められた。砒素暴露3ヵ月後の23名の検診時の問診から, 急性期にみられた皮疹は紅色丘疹を示した症例が6名, 顔面浮腫3名, 水痘様皮疹が3名, 指趾尖の落屑3名, 紅皮症が1名であり, 経口亜砒酸推定摂取量との関連性はみられなかった。(皮膚, 41: 511-517, 1999)
著者
東 禹彦 池上 隆彦
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.227-232, 1973

爪甲剥離症患部からはC.albicansがしばしば検出されるが, 本菌は単に2次的に付着しているにすぎず, 原因の多くは外傷であるとされている。著者らは爪甲剥離症における外傷やC.albicansの役割を検討する目的で, 猿の爪を用いて実験を行なった。爪甲と爪床をその遠位部で鈍的に剥離するのみでも, また爪甲と爪下皮の間にC.albicansを挿入するのみでも爪甲剥離はほとんど生じなかった。一方, 爪甲と爪床をその遠位部で剥離し, 外傷が治癒した後に, C.albicansをその間隙に挿入すれば爪甲剥離が進行し, 人にみられる爪甲剥離症に類似の変化を示した。すなわち, 外傷のみでは爪甲剥離は生じ難く, C.aibicansの関与があれば爪甲剥離が容易に生じるものと考えられる。
著者
橋本 謙
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.389-396, 1991

植物抽出液, プラセンタエキス, 酢酸トコフェロール, センブリエキス, サリチル酸の他にエチニルエストラジオールが配合された女性用育毛剤コラージュリッチを女性脱毛患者10例に使用した。<BR>その結果, 著効4例, 有効3例, 無効3例で, 有効以上が70.0%であった。また有用度は, かなり有用以上の有用率として70.0%の結果を得た。<BR>概括安全度では, 全例に副作用を認めなかった。<BR>以上より, コラージュリッチは脱毛症の女性患者に対し安全かつ効果に期待の持てる育毛剤と考えられた。
著者
小塚 雄民
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.503-508, 1992

コラージュデルムは水溶性コラーゲン, スクワラン, ゲリチルレチン酸ステアリル, γ-オリザノールを主な構成成分とする全身用保湿クリームである。<BR>乾燥性皮膚疾患患者20名を対象として, 使用試験によりコラージュデルムの有効性・安全性を検討した。その結果, 90.0%の症例に改善がみられ, 対照とした尿素軟膏とほぼ同等の成績を示した。<BR>角層水分含有量測定試験では, コラージュデルムは, 尿素軟膏に比べて, 30分後および2時間後とも有意に高い水分含有量が認められた。<BR>コラージュデルムは乾燥を主訴とした軽度から中等度の乾燥性皮膚疾患に有用であると考えられる。
著者
西岡 和恵 久本 和夫 山田 健一 麻上 千鳥
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.758-761, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

難治性の慢性蕁麻疹および皮膚掻痒症に対し, H1受容体拮抗剤としてヒドロキシジンを, H2受容体拮抗剤としてファモチジンとを用いその併用効果を検討した。その結果, 慢性蕁麻疹の7例中6例, 皮膚掻痒症の4例中2例において, ヒドロキシジン単独投与にくらベファモチジンを併用した方が有用と認められ, 今後試みられるべき優れた治療法と思われた。
著者
小幡 正明 加藤 浩子 田上 八朗 原 捷之 福武 勝彦
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.1236-1240, 1985 (Released:2010-06-04)
参考文献数
6
被引用文献数
3

ニュートロジーナハンドクリーム (持田製薬株式会社) および市販ハンドクリーム3種の皮膚保湿能を評価する目的で, 3.5MHz高周波電導度測定装置を用いて, クリーム塗布前後の角層水分含有量, 水分吸収能, 水分保持能について試験検討を行った。その結果, ニュートロジーナハンドクリームは下記のような優れた保湿効果を示した。(1) ニュートロジーナハンドクリームは対照 (未塗布部位) と比較し, 約2倍の電導度の増加をもたらし, それは他のクリームと比較しても有意に高いものであった。(2) 水負荷試験において, ニュートロジーナハンドクリームは水分吸収をほとんど妨げず一方その水分を高いレベルで保持した。ニュートロジーナハンドクリームはハンドクリームとして望ましい保湿パターンを示し, 他の機会に私達が経験した外用剤も含め, 最も優れたものの1つであった。
著者
須貝 哲郎 山本 幸代 渡辺 加代子 麻生 五月
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.421-430, 1981 (Released:2010-06-04)
参考文献数
21
被引用文献数
1

1974年から1979年にわたる6年間に施行した香料系パッチテストの結果を総括して報告する。対象は化粧品皮膚炎, 顔頸部の炎症後色素沈着症患者1, 325例である。当科常備の香料アレルゲンのうち27種をcomputer FACOM 230-28に登録し, 6年間の蓄積データからその陽性頻度を算出した。登録香料の内訳は天然香料9, 単離香料11, 香料成分ミックス1, 調合香料6である。陽性率の首位はICDRGの香料成分ミックスで06% (6/91), イランイラン油6.1% (51/833), benzyl galicylate6.0% (43/713), 調合香料ミックス義7% (19/336) の順であった。使用量のもっとも多いといわれるchemodermは11位で3.2% (10/314) の陽性率を示した。
著者
松永 佳世子 上田 宏
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.177-186, 1993 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6

アトピー性皮膚炎患者21名に対し, 皮脂類似成分, 油性成分およびコメ胚芽油を含有する乾燥肌用入浴剤バスキーナを使用し, その有用性について検討を行った。皮疹部位の乾燥, 鱗屑, 亀裂に対する改善は, それぞれ89.5%, 89.5%, 90.0%の症例に認められ, また, 皮疹周辺部の乾燥皮膚も, 84.2%の症例に改善が認められた。治療補助効果では改善以上が76.2%, 有用性においても有用以上が76.2%と良好な成績が得られた。皮疹部位における角層水分含有量測定では, 試験前に比し試験後で角質水分含有量が有意 (p>0.05) に高い結果であった。以上より, バスキーナはアトピー性皮膚炎患者に対し, 簡便かつ有用性の高い優れた入浴剤であると考えられる。
著者
大畑 千佳 調 裕次 高木 圭一 川津 智是
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.556-561, 1998 (Released:2010-08-25)
参考文献数
22

大阪逓信病院皮膚科で1989年1月から1998年8月までの約10年間に男性1人, 女性14人の帯状疱疹再発例を経験した。本邦報告例と比較, 検討した結果, 帯状疱疹再発例は全帯状疱疹の2%弱に生じること, 女性に多く, 膠原病患者の比率が高いこと, 膠原病, 中でもSLE患者は, 比較的若年で初回の帯状疱疹罹患を生じ, 短期間で3回以上繰り返す傾向があること, 膠原病以外の患者では, 加齢が影響する例も少なくないことがわかった。
著者
南 宏典 佐藤 健二 乾 重樹 前田 知子 田口 博康
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.440-447, 1996

12歳以上のアトピー性皮膚炎患者でステロイド外用剤を中止したいと希望した28例と, すでにステロイド外用剤を中止してそれ以外の外用剤を用いているが皮疹が軽快しない4例を対象とし, ステロイド外用剤離脱後も紅斑が持続する場合は全外用剤を中止し, 内服, 入浴指導, ガーゼ保護など種々の治療を加えた。ステロイド外用剤を中止すると皮疹は増悪し, 平均7日後に最悪となるが, その後軽快した。さらに全外用剤を中止すると再び増悪して平均5日後に最悪となるが, 以後軽快に向かい平均6週間後に皮疹の面積は中止前の2割程度となった。またこのときの皮膚症状は古典的成人アトピー性皮膚炎に特徴的な乾燥性のものである。外用剤中止と外用以外の種々の治療を行った結果ほぼ全例が外用剤なしですごせるようになったことから, 現在問題とされているいわゆる成人型アトピー性皮膚炎の病変にはステロイドおよびその他の外用剤の影響が含まれていると推測された。
著者
三嶋 豊 芝田 孝一 瀬戸 英伸 大山 康明 波多江 慎吉
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.134-150, 1994
被引用文献数
1

コウジ酸 (KA) のメラニン生成抑制作用を基礎的ならびに臨床的に検索した。マウスB16メラノーマ細胞から抽出したtyrosinaseの活性は添加KA濃度に依存して抑制された。DOPAchromeからDHIを経由するメラニン重合体形成過程において, KAは更にDHIに直接的に反応し中間代謝物を形成することにより抑制的に働くことが見出された。培養B16細胞系でKA 2.5mM添加により, tyrosinase活性の低下と共に細胞は白色化する。なお, この細胞をKA無添加の新鮮培養液で更に培養するとtyrosinase活性およびメラニン生成は回復した。黒色金魚を0.15%KA添加水中で54日間飼育すると槌色し黄淡褐色へと変化した。これらKA群の金魚皮膚のtyrosinase活性は, 対照群の18.2%に低下した。有色モルモットで紫外線照射誘導色素沈着もKA塗布により濃度依存的に抑制された。本邦人男性31名および女性46名のボランティアの上腕内側に紫外線を照射し, 1%KAクリームを塗布し, 男性90.3%, 女性75.5%のKAクリーム塗布部位の色素沈着が明らかに抑制された。以上の基礎的知見も基に, 1%または2.5%KAクリームを肝斑, 日光性および老人性黒子, 炎症後色素沈着ならびに雀卵斑の患者に2カ月以上適用し, 合計204例で臨床効果を調べた。有効以上の例は93例 (45.6%) やや有効以上は151例 (74.0%) であったが, KA1%と2.5%の両群の有効率には大差がなかった。
著者
欠田 良児
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.190-199, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
29

疣贅状表皮発育異常症 (EV) 患者12例についてウイルス学的検索を行い, 臨床像と合わせて検討した。これらの患者では, 両親の血族結婚や家族内発生の率が高く, EV発症に遺伝的素因が関与していることを示唆している。また細胞性免疫の異常が高頻度に見られたので, 遺伝的欠陥は細胞性免疫に関係していることが推測される。皮疹は大きくわけて紅斑, 扁平疣贅様, 癒風様の3つであった。紅斑は比較的若い患者 (平均年令24才) だけに見られたのに対し癒風様皮疹がみられた患者の平均年令は41才であった。これらの皮疹からhuman papillomavirus (HPV) 5, 12, 14, 17, 20, 21, 38型を分離した。このうちHPV14および38型はEV患者からはじめて分離したHPVである。外国でよく分離されるHPV8型は認められず, HPV5型の検出率も低率であった。6例 (50%) が皮膚癌を併発しており, これら6例の患者の良性皮疹はすべて癜風様であり, そこからHPV5, 17, または20のうち少なくとも1種類を分離した。HPV17および20型については癌組織中に存在することも証明した。このことは, これらのHPVは癌化と密接に関係していることを示唆している。