著者
多田 雄哉 丸本 幸治
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2018年度日本地球化学会第65回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.275, 2018 (Released:2018-11-21)

本研究では、海洋植物プランクトンによるメチル水銀 (MeHg) の取込み速度および蓄積量を定量的に明らかにするため、沿岸性および外洋性珪藻を用いたMeHg添加培養実験を実施した。沿岸性および外洋性の珪藻株を、MeHgを添加した培地中で14日間培養し、培養期間中、藻類細胞数を計数するとともに、溶存態および粒子態(藻類細胞画分)MeHg濃度をモニターした。実験の結果、両藻類細胞は培養3日目まで指数関数的に増加し、その後定常増殖期に入った。MeHg分析の結果、藻類細胞の増殖に伴って溶存態MeHg濃度は減少し、逆に粒子態MeHg濃度が増加した。また、培養1日目で、添加したMeHg量の80%以上が藻類細胞画分へ移行することが明らかとなった。これらの結果から、海水中で生成されたMeHgの80%以上は、少なくとも1日以内に植物プランクトン細胞に取り込まれ、海洋食物網に移行していく可能性が示された。