- 著者
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大久保 研治
後藤 一寿
- 出版者
- 東京農業大学農業経済学会
- 雑誌
- 農村研究 (ISSN:03888533)
- 巻号頁・発行日
- no.115, pp.13-24, 2012-09
本研究では,アンケート調査で得たデータを利用し,紫サツマイモ製品に対する消費者の認知度,利用経験,そして利用意向の分析を行った。分析結果をまとめると以下の4点である。1)2元配置の分散分析の結果,認知・利用経験・利用意向による主効果がすべての品目で確認された。認知・利用経験・利用意向と年齢・性別による交互作用は5品目で,年齢・性別による主効果は11品目で確認された。2)紫サツマイモ製品に対する消費者の認知度について分析を行った結果,認知度とが高い製品とそうではない製品が明らかになった。そして年齢層・性別によって認知している紫サツマイモ製品に差異があることが明らかになった。3)消費者の紫サツマイモ製品の利用経験の割合は認知度を大きく下回っており,消費者にとって紫サツマイモ製品がまだ十分浸透してないことが示唆された。4)消費者の紫サツマイモ製品の利用意向を判別関数分析により分析した結果,女性は菓子類を選好する傾向があり,その中で若年層・中年層は洋菓子を,高年齢層は和菓子を選好する傾向がみられた。男性は若年層・中年層と高年齢層では選好する製品は異なるが健康志向にあることが明らかになった。