- 著者
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大久保 雄司
- 出版者
- 一般社団法人 日本接着学会
- 雑誌
- 日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.1, pp.4-16, 2018-01-01 (Released:2018-10-23)
- 参考文献数
- 23
- 被引用文献数
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フッ素樹脂は,多機能を有する合成樹脂であるが,接着性が乏しいという唯一の欠点を持つ。よって,フッ素樹脂と異種材料を接着する場合は,フッ素樹脂の表面改質が必須となる。従来の低温プラズマ処理では接着性が不十分となるが,プラズマ処理中に加熱する( 熱アシストプラズマ処理する) ことで,接着性が劇的に向上することを見出した。当初は,プラズマを発生させるための電力密度を高く設定することによってプラズマ処理中の表面温度を200℃以上に調節していた。しかし,プラズマ処理面積の拡大にともない,装置の改造費用が高額となるため,実用化する上で大きな障壁となっていた。そこで,ヒーターを使用して熱アシストプラズマ処理することを検討した。低電力密度であってもヒーターで加熱すれば,フッ素樹脂の接着性が大幅に向上することを実証した。フッ素樹脂の接着性を向上するためには,酸素を含む官能基の生成に加えて,表面硬化が極めて重要であった。