著者
植木 正明 深澤 高広 伊藤 達也 伊藤 淳 大内 聖士 佐藤 啓三
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.727-730, 2021-06-01

は じ め に Simunovicら1)は2010年に大腿骨近位部骨折の早期手術は肺炎や褥瘡発症が少なく,死亡率は低いと報告した.その後,欧米のガイドラインでは,大腿骨近位部骨折は整形老年病医が参加した集学的プログラム管理下に入院後36~48時間以内の早期手術が推奨されている2).しかし,大腿骨近位部骨折手術は早ければ早いほど予後がよいのかという問題がある.この問題に対して,国際多施設共同研究によるaccelerated surgery versus standard care in hip fracture(HIP ATTACK)trialの研究成果3)が報告された. 一方,わが国のガイドライン4)では,できる限り早期の手術が推奨されている.欧米とは違う医療体制のわが国でどこまで早く手術を行えばいいのかという問題に対して,本研究では,大腿骨近位部骨折患者の救急外来受診後,手術まで6時間未満の超早期手術と6時間以降24時間未満の早期手術後の30日死亡率,術後合併症および入院期間を比較・検討したので報告する.