- 著者
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大坪 志子
森 康
森 未来
- 出版者
- 熊本大学
- 雑誌
- 若手研究(A)
- 巻号頁・発行日
- 2009
縄文時代後期後葉(太郎迫式期)に、九州に出現・盛行するクロム白雲母製の石製装身具は、後期末~晩期にかけて東日本に拡散する。悉皆調査の結果、中部地方が主要分布圏の東限とみられる。クロム白雲母製装身具の東進の背景は、韓半島からの初期農耕の受容と拡散に関連があると想定したが、太郎迫式期に近畿地方での加工が確認され、関東にも数例の類例があることが判明した。東進の背景は、太郎迫式期の土器の動態とより関連が強い可能性がある。