著者
阪本 貞夫 大城 壽光
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.571-581, 2003-09-25 (Released:2018-02-26)
被引用文献数
2

1990年以降に製造され、約10年稼動したシリコン結晶系太陽電池モジュール約2,000枚を調査した。そのうち約150枚のモジュールについて初期および10年後の出力特性の測定値をもとに経年変化を解析し、目標とする30年の寿命を達成するための課題を追求した。出力の低下は1年間で平均約0.5%以下と推定される。結晶系モジュールにおいて優勢な三つの劣化モードを検出した。すなわち(1)セル・充填材間の剥離が進行していると考えられる劣化モード、および外観からは分からない(2)F(曲線因子)の低下に伴って出力が低下する劣化モードと、(3)I_<SC>(短絡電流)およびV_<OC>(開放電圧)が共に低下する劣化モードである。更に不良解析により、Fの低下を伴う劣化は電極接合部の劣化に起因している可能性が高いことを見出した。