- 著者
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森 啓之
- 出版者
- 日本信頼性学会
- 雑誌
- 日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.4, pp.317-327, 2008-06-01
- 被引用文献数
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2
欧米諸国を中心に世界的に電力の自由化が進むにつれて,電力システムは一社の地域独占で発電,送電,配電,小売の形態から,電力市場や相対取引を介して電力を売買する形態に様変わりつつある.その結果,電カシステムは競争的環境に変貌し,個々のプレヤーは従来よりも利益を最大化する傾向にある.同時に,多様化するプレヤーの存在や分散電源の利用により,電力システムにおける不確定性の度合いが増し,従来の電カシステムよりも停電が起き易い環境が内外で懸念されている.そのような環境下で,電力システムの運用・計画の観点から,発電機で発電された電力が,送電ネットワークを通して適切に需要家に送電されるかを検討する信頼度評価に対する関心が高まっている.本稿では,電力システムにおける信頼度評価法について概説する.