著者
下條 満代 照屋 晴奈 大城 政之
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.6, pp.56-64, 2019

次期学習指導要領(2017年3月公示)において文部科学省は、「社会に開かれた教育課程」を重視すると示し、各学校における「カリキュラム・マネジメント」の確立や、幼・小・中・高等学校の教育課程との連続性を重視した。そこで本研究では「カリキュラム・マネジメント」について文献研究を行い、その観点から特別支援学校と特別支援学級、ついては知的障害者教育の教育課程を中心に、課題について明らかにすることとした。結果として、①カリキュラム・マネジメントの定義及び内容の具体化(体系化)、②特別支援教育における教育課程編成及びカリキュラム・マネジメントの具体化の2点の課題が明らかとなった。特に後者に関し「特別支援学校」「特別支援学級」と大きな枠組みで捉えるのではなく、今後は各教育現場に合わせた教育課程編成及びカリキュラム・マネジメントの内容の具体化を図る必要があると考える。また、知的障害者教育についてはその障害特徴により、より独自性が求められるため現時点の定義や抽象的な内容で述べることが難しい。次期学習指導要領の移行期間である今だからこそ、更なる具体化が早急に必要であることが考えられる。