著者
中嶋 徳正 大塚 信吾
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.J207-J213, 2017 (Released:2017-07-25)
参考文献数
14

AMラジオ放送用レクテナに搭載するアンテナコイルの動作原理は大学初年次程度の知識で理解できるが,動作特性の詳細については著者の知る限り報告されていない.本論文では受信時のアンテナコイルの等価回路を仮定し,開放電圧とインピーダンスの周波数特性を述べる.そして開放電圧が最大,アンテナコイルが自己共振状態ならびにインピーダンスが最大,となる三つの周波数をそれぞれ導出する.これらに基づいて,特定のAMラジオ放送の周波数において開放電圧が最大となるアンテナコイルの設計法を提案する.インピーダンス測定により等価回路の妥当性ならびに自己共振とインピーダンスの最大を明示する.さらに,エナジー・ハーべスティング実験を通じて提案の設計法の有効性を検証する.