- 著者
-
古川 健司
重松 恭祐
岩瀬 芳江
三上 和歌子
星 博子
西山 孝子
大塚 藍
阿部 宏子
- 出版者
- 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
- 雑誌
- 日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.5, pp.1139-1146, 2018 (Released:2018-12-20)
- 参考文献数
- 25
【目的】がんに対する糖質制限食として、medium chain triglyceride(以下、MCTと略)オイルの少ない修正MCTケトン食を導入し有効性を検討した。【方法】ステージⅣ進行再発大腸癌患者10例に、ケトン比が1.4:1の修正MCTケトン食を1年間抗がん剤と併用し、RECIST判定、血中総ケトン体、quality of life(以下、QOLと略)の評価を行い、ステージⅣで抗がん剤治療のみを行った群14例と比較検討を行った。【結果】抗がん剤単独群は、CR0例、PR3例、SD6例、PD5例で、奏効率21%、病勢コントロール率64%で、ケトン食併用群は、CR5例、PR1例、SD1例、PD3例で、奏効率60%、病勢コントロール率70%で、1年継続することで、CR率が50%に上がった。【結論】ケトン食併用の抗がん剤治療は、抗がん剤単独群と比較し、奏効率、病態コントロール率が高く、ステージⅣ大腸癌の支持療法になると思われた。