著者
大塚薬品工業株式会社開発研究部
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.S319-S321, 1992-11-20

ダイファシノン原体の急性毒性, 亜急性毒性は比較的高いが, 製剤は0.005%と非常に低い濃度であり, 急性経口LD_<50>はマウス, ラットとも5000mg/kg以上, ラットの急性経皮LD_<50>は2000mg/kg以上であることから, 人畜に急性毒性中毒の起こる危険性はきわめて低い.ダイファシノン0.1%中間体の眼刺激性はきわめて軽度で, 0.005%製剤の皮膚一次刺激性, 皮膚感作性ともに陰性であった.変異原性に関しては復帰変異原性試験, DNA修復試験ともに陰性であった.ダイファシノンは抗血液凝固剤であり, 0.005%というきわめて低濃度で使用され, 連日摂取することにより毒性が発現すること, さらにビタミンK_1という解毒剤が確立していることから, 定められた使用基準を遵守すれば安全性を確保できる有用な殺そ剤であるといえる.