- 著者
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古川 昌司
大多 英隆
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
- 巻号頁・発行日
- vol.105, no.22, pp.1-5, 2005-04-14
我々は、今までに、ポリジメチルシラン、ポリジエチルシラン、ポリジプロピルシラン、ポリジブチルシラン、ポリジペンチルシラン、ポリジヘキシルシラン、ポリメチルエチルシラン、及びポリメチルノーマルプロピルシラン等、種々の対称及び非対称側鎖を持つ有機ポリシランの分子構造とパッキングについて検討・報告してきた。その結果、分子構造は、同一分子内の側鎖間の立体障害により主に決定されることが分かった。また、1個のシリコン原子に同じ2個の側鎖が結合(対称側鎖)しても、幾何学的には非対称に配置されることが分かった。2個の側鎖が幾何学的に対称に配置されると、立体障害が生じるためである。さらに、主鎖のコンフォメーションがオール・トランスの場合、c軸方向の周期は約0.4nmとなり、メチル基及びメチレン基のファン・デル・ワールス直径と等しくなる。そのため、側鎖(アルキル基)は第2隣接のシリコン原子に結合している側鎖と、うまくファン・デル・ワールス結合する。今回、ポリメチルエチルシラン及びポリメチルノーマルプロピルシラン以外の非対称側鎖を持つ有機ポリシランの分子構造とパッキングについて検討したので、それらの結果について報告する。