- 著者
-
高味 良行
有木 弘
宮田 義弥
大宮 孝
石原 智嘉
伊藤 敏明
- 出版者
- 一般社団法人 日本人工臓器学会
- 雑誌
- 人工臓器 (ISSN:03000818)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.3, pp.785-788, 1993-06-15 (Released:2011-10-07)
- 参考文献数
- 8
大動脈弁置換術後65症例に連続波およびパルスドップラー心エコー法を施行し、大動脈弁位人工弁の評価法としての連続の式を用いた指標:有効弁口面積(EOA), Doppler velocity index(DVI=V 1max/V 2max), 大動脈弁狭窄率(aortic stenotic ratio(ASR)=EOA/LVOTA=V1 flow integral/V2 flow integral)の有用性について、Bernoulliの式を用いた圧較差(maxPG)と比較し検討した。(1) maxPG, EOAは、弁のサイズに強く影響され、DVI, ASRは、弁のサイズと無関係であった。(2) EOA, DVI, ASRは、maxPGと有意に負の相関を示した。(3) 種々の理由で人工弁を通過する血流量が少ないために、lnaxPGが低く算出され、連続の式の指標との間で不一致を示す例で、人工弁の開放角の低下が示された。(4) 人工弁の機能異常を示唆する指標として、DVI<0.25, ASR<0.27が得られた。以上より大動脈弁位人工弁の機能評価には、影響因子が多いInaxPGよりも、連続の式を用いたDVI, ASRが簡便かつ有用と考えられた。