著者
斎藤 洋子 大岩 泰子
出版者
Japanese Association for Dietary Fiber Research
雑誌
日本食物繊維研究会誌 (ISSN:13431994)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.31-36, 1998-07-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
20

11種類の野菜を日常行う方法で調理し,Prosky法および酵素処理残渣中の窒素をタンパク質として差し引かないProsky変法で総食物繊維量を定量し,野菜食物繊維量の調理による変化および定量法の相違の食物繊維量への影響を検討した。 総食物繊維量の調理による変化は,茹でる・煮るでにんじん,ごぼう,たまねぎ,キャベツで増加または増加傾向にあり,減少または減少傾向にあったのはさんとうさい,にら,はくさいで,他はほとんど変化しなかった。炒める・揚げるでは,にんじん,ごぼう,だいこん,キャベツ,ほうれんそう,さんとうさい,はくさい,ピーマンが増加または増加傾向にあり,減少または減少傾向にあったのはたまねぎ,にら,こまつなであった。 酵素処理残渣中の粗タンパク質量は,葉菜類などに多く,根菜類には少ないように認められ,葉菜類などの食物繊維量を正確に求めるには酵素処理残渣中の窒素の組成を明確にする必要がある。酵素処理残渣中の粗タンパク質量は多くの種類において調理することにより増加する傾向にあった。