著者
大島 美恵子
出版者
東北公益文科大学
雑誌
東北公益文科大学総合研究論集 : forum21 (ISSN:18806570)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.XIX-XXX, 2001-12-20

生理活性脂質データベースシステム(LIPID BANK for Web)が完成し、インターネットでの発信を開始してから2年を経過した。LIPID BANK for Webは、文部省科学研究費を受けて構築されたMS-DOS版脂質情報データベース(LIPID BANK)のプロトタイプシステムを基にし、これを科学技術振興事業団のデータベース化支援事業の助成により、新たにインターネットで脂質化合物に関する情報を発信するシステムとして再構築したものである。科学技術振興事業団の継続予算により、その後現在に至るまで継続的にデータ集積と修正が進んでいる。本データベースについて説明すると共に、糖脂質を例にとって簡単にその利用法をまとめる。また、今後さらによい資質データベースとして発展させるために、新たな総合的脂質データベースの作製(LIPOMICSプロジェクト)について提案したい。
著者
八杉 悦子 中西 和子 梶本 雅俊 大島 美恵子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.361-368, 1996

神奈川県横浜市在住中国人の男性41人 (平均年齢58.2±19.1歳), 女性48人 (50.4±15.9歳) の血清中の脂質 (総コレステロール, HDL-コレステロール, トリグリセリド), リポプロテイン (a), 脂肪酸を測定した。<BR>横浜市在住中国人の実測値と, 北京, 台北, シンガポール在住中国人の血清脂質量 (文献値) を比較すると, 居住地により差がみられた。横浜市在住中国人の総コレステロール量は, 北京在住中国人 (男女) や台北 (女性) より高く, シンガポール (男女) より低かった。横浜市在住中国人のリポプロテイン (a) 濃度分布は, 文献値による北京, 台北, シンガポール在住中国人と類似しており, 居住地による違いはなかった。横浜市在住中国人の血清脂肪酸組成については, <I>n</I>-6系多価不飽和脂肪酸であるリノール酸が最も多く含まれ, 次いでパルミチン酸, オレイン酸であった。特にリノール酸が34.7±4.3%(男女の平均値) と日本人と比較して非常に多いのが特徴であった。また, S/M/P比は1/0.73/1.6, <I>n</I>-6/<I>n</I>-3比は6.7±2.3で, <I>n</I>-3系の多価不飽和脂肪酸を多く含む日本人の血清とは異なっていた。