著者
大川 孔明
出版者
計量国語学会
雑誌
計量国語学 (ISSN:04534611)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.555-571, 2019-03-20 (Released:2020-03-20)
参考文献数
19
被引用文献数
3

本論では,作品の文体を構成するさまざまな指標に基づいて分類を行ったとき,平安鎌倉時代の文学作品がどのような特徴を持つ文体類型に分けられるのかという点を,MVR-名詞率,文の長さ,会話文率,語種率(和語率,混種語率,漢語率),引用の「と/など」比率を指標にクラスター分析を用い考察した.その結果,平安鎌倉時代の文学作品には,和漢混淆文型,典型的和文型,初期和文型,日記文学型①,日記文学型②の5類型があることが明らかになった.さらに,和漢の対立やジャンルに基づく文体がどのような文体的特徴として表れるのかという点についても示し,複数の視点から文体を位置づけることの有効性を示した.
著者
大川 孔明
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.133-151, 2020-08-01 (Released:2020-08-14)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本稿では、文連接法(接続詞、指示詞、接続助詞、無形式)を指標に、クラスター分析を用いて平安鎌倉時代の文学作品を比較し、それらがどのような文体類型として位置づけられるのかを考察した。その結果、平安鎌倉時代の文学作品は、相対的に[1]接続助詞率が高い接続助詞型(『竹取物語』『源氏物語』など)、[2]接続詞率・指示詞率が高い接続詞指示詞型(『大鏡』『宇治拾遺物語』など)、[3]無形式率以外の数値が低い無形式型(『蜻蛉日記』『徒然草』など)に分けられることを明らかにした。また、和漢の対立と文連接法が文体的に関係していることを指摘し、さらには、典型的和文の文体的特徴が接続助詞に現れることから、典型的和文の実態の一端を明らかにした。
著者
大川 孔明
出版者
計量国語学会
雑誌
計量国語学 (ISSN:04534611)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.510-525, 2022-12-20 (Released:2023-12-20)
参考文献数
11

本稿では,叙述語を指標に,コレスポンデンス分析,クラスター分析を用いて鎌倉時代の和文作品,並びに和漢混淆文の一種とされる軍記物作品の文体が類型的にどのように位置づけられるのかについて,大川(2020)の結果との比較から考察した.その結果,鎌倉和文は紀行文和歌集型と強紀行文和歌集-和文体型に分けられ,さらに大川(2020)にて強紀行文和歌集型とされた『海道記』は強紀行文和歌集-漢文訓読文寄りの文体型に位置づけられること,軍記物は物語日記-漢文訓読文寄りの文体型に位置づけられ,『今昔物語集』などの作品と,和漢の文体対立から見たときにも,ジャンル文体から見たときにも概ね同様の文体的特徴を有することが明らかとなった.