- 著者
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大辻 一也
後藤 亜紗美
櫻井 富士朗
伴 武
大川 雅之
梅田 智重
山田 陽介
- 出版者
- 日本ペット栄養学会
- 雑誌
- ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.1, pp.12-16, 2012-04-10 (Released:2013-01-25)
- 参考文献数
- 14
近年、イヌの飼育方法が大きく変化している。室内飼育率が増加し、市販のペットフードの給餌率も増加している。このような変化に伴って、イヌの1日当たりのエネルギー要求量 (Daily energy requirement: DER) も変化していると考えられる。そこで、二重標識水 (Doubly labeled water: DLW) 法を用いて、一般家庭で飼育されているイヌの、普段の生活におけるDERを測定した。DLW法はD2Oと H218O 混合物を体内に導入し、Dと18O除去率の違いから、CO2生産を割り出し、エネルギー消費量を求める方法である。この方法の特徴はほとんど拘束することなしに、エネルギー消費量が測定できることである。検討の結果、従来の計算式によって算出されたDERとDLW法で得られたDERは、5個体の内2個体で一致したが、他の3個体ではDLW法で得られたDERの方がやや低かった。しかし、両方法で得られたDERを回帰分析したところ、両者間に有意な相関関係が認められた (R=0.935)。このことは、DLW法がイヌの普段の生活におけるDERを求める有効な手段であることを示唆するものである。両方法でDERに差異を生じた3個体について、差異の原因を検討したが、決め手となる情報は得られなかった。今後被験犬数を増やして検討していく予定である。