著者
戎野 庄一 吉田 利彦 大川 順正
出版者
医学書院
雑誌
臨床泌尿器科 (ISSN:03852393)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.210-211, 1993-03-30

結石の再発予防療法の現況 尿路結石の治療において,外科的な治療は内視鏡手術の発展と体外衝撃波砕石術の開発と普及により,近年大きな変貌を遂げた。この革命的ともいえる変革は,結石患者に福音をもたらしたと言っても過言ではない。しかしながらその一方では,これらの治療法が極めて安易に施行され過ぎるために,結石発生の機序解明ならびに再発予防に対する地道な基礎的および臨床的な研究あるいは努力がなおざりにされつつある傾向も否定できない。 本稿の序論として尿路結石の治療の本質は,その発生機序の解明と再発予防療法にあるということを改めて強調しておきたい。
著者
北村 愼治 藤永 卓治 大川 順正 三軒 久義 吉田 利彦 山口 眞司 高田 実 高尾 哲人
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.73, no.10, pp.1324-1332, 1982-10-20
被引用文献数
44

転移性副腎腫瘍の1例を報告した。患者は55歳男性で,約1年半前,肺扁平上皮癌の為,右肺上葉切除術を受けた。その後,微熱と貧血が続き,又,コンピューター断層撮影により左腎上部に腫瘤像がみられた為,当科へ入院した。超音波断層撮影工血管撮影等により,左副腎腫瘍と診断され,左腎・副腎摘出術が施行された。その組織像は,肺原発の転移性副腎腫瘍であつた。転移性副腎腫瘍は,臨床的には見逃される事が多いが,剖検的には比較的高頻度に認められている。そこで著者らは,昭和49年から53年迄の5年間の日本病理剖検輯報に基いて,125,581剖検例中の転移性副腎腫瘍の統計的検討を行ない,特にその原発巣に関して検討を加えた。転移性副腎腫瘍の診断には,画像イメージ診断法が有効である事を強調した。