著者
大木 理
出版者
日本植物病理學會
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.3-11, 2001 (Released:2011-12-19)
著者
大木 理 井上 忠男
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.557-561, 1987-10-25
被引用文献数
1

微生物等の培地用として市販されている Gelrite の二重拡散法担体としての利用を検討した。CMV の純化ウイルスと抗血清を用い, 0.1Mトリス塩酸緩衝液 PH 8.0, 0.85% NaCl, 0.2% NaN_3 に 0.15% Gelrite, 0.2% MgCl_2・6H_2O, 0.3% SDS を添加したゲル (スライドグラスあたり 1.5 ml) を使って同条件の 0.5%精製寒天ゲルと比較したところ, Gelrite ゲルでは室温で 3〜5時間で結果を判定でき, 約50 ng/mlの純化 CMV, 感染タバコ葉の256倍希釈汁液中の CMV を検出でき, 所要時間は寒天ゲルの約半分で検出精度は100倍程度すぐれていることが分かった。沈降帯は TMV 等の長形ウイルスでも明瞭に観察されたのでウイルス抗原の検出診断に広く利用できるものと考えられる。また透明度が高いため, エピトープ分析などにも有用と思われる。
著者
松本 純一 岡村 奈央子 大木 理
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.13-15, 1997-02-25

大阪府堺市で採集したスターチスとルドベキアのモザイク症状株からそれぞれ2種類の小球状ウイルスが分離された。宿主範囲と病徴, アブラムシ伝搬, 血清反応などを調査した。径約30nmの2分離株はキュウリなどの病徴, 2本鎖RNAの分析, 血清反応よりキュウリモザイクウイルス(CMV)と同定した。径約27nmの2分離株はChenopodium quinoaなどに全身感染したこと, 感染細胞内でウイルス粒子の集塊と膜状封入体が観察されたこと, 血清反応よりソラマメウイルトウイルス(BBWV)と同定した。なお, これらの分離株はいずれも原寄主にモザイク症状を再現した。スターチスにおけるBBWV, ルドベキアにおけるCMVとBBWVの発生の確認はわが国最初と考えるので, 病名をそれぞれスターチスウイルス病, ルドベキアウイルス病としたい。