著者
大本 将之 志波 直人
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.27-30, 2017-01-28 (Released:2017-03-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1

微小重力により,宇宙飛行士の筋骨格系は著しい廃用性変化をきたす.火星探査では狭い宇宙船内での運動が必要となるが,従来の宇宙飛行士用の訓練装置は大型で使用が困難である.ハイブリッドトレーニング装置は,運動時に動作を妨げる拮抗筋を電気刺激して得られる筋収縮を運動抵抗とし,小型で自身の体内で運動抵抗を発生させることから,このような制約が大きい環境下での使用が可能である.2009年,国際宇宙ステーション利用研究に採択され,本装置を1名の宇宙飛行士の非利き腕に装着し,週3回4週間,計12回のトレーニングを行い,廃用予防改善効果を検証した.同時に5年間の産学協同研究により,下肢用トレーニング装置が市販された.