著者
石井 政嗣 大杉 頌子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.192-197, 2019 (Released:2019-09-26)
参考文献数
20

症例は70代女性。来院2日前からの嘔気嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した。炎症反応の軽度上昇と腹部造影CT検査にて少量の腹水,腸閉塞,回腸に隆起性病変を伴う腸重積と思われる所見を認めた。血流障害を伴う小腸腫瘍による腸重積と診断し,同日腹腔鏡下イレウス解除術を施行した。回盲部より約40cmの漿膜面に充血を伴った小腸腫瘍と考えられる部位を認めたが,重積,重積の跡は認めなかった。病変部位を臍部創より体外に出し,腫瘍を露出しないように小腸部分切除術を施行した。術後に小腸を切開したところ,内部より椎茸が検出された。術後経過は良好であり,術後14日目に退院した。 小腸腫瘍に伴う腸重積と術前診断したが,結果的に食餌性イレウスであった症例であり,鑑別診断を考えるうえで有用であると思われたので報告する。