著者
吉川 弘道 若林 裕子 坪田 正紀 大滝 健
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 = Concrete research and technology (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.33-42, 2011-01-25
参考文献数
16
被引用文献数
1

地震イベントリスク評価手法として,PhaseI/地震ハザード評価,PhaseII/地震動評価,PhaseIII/応答評価,PhaseIV/損傷・脆弱性評価,PhaseV/地震イベントリスク評価,にて構成される評価フローを構築した。このうち,キャパシティスペクトル法とEFM法の採用,および,複数震源モデル,地盤増幅率,距離減衰式など最新の耐震工学の手法を導入したことが特徴と言える。提案手法を,新旧異なる設計年代のRC鉄道ラーメン高架橋に適用し,損失期待値(NEL),予想最大損失(PML)などのリスク指標を算出し考察した。また,設計年代の違いに起因する靭性と強度の差異を,地震リスクイベント曲線と諸リスク値によって定量的かつ具体的に表すことができた。
著者
吉川 弘道 大滝 健 前田 欣昌 中村 孝明
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.26-34, 2007 (Released:2013-04-26)
参考文献数
25
被引用文献数
4 4

地震リスク解析は地震被災度を定量的に評価するもので, 防災計画の重要な指標になるとともに, LCC (生涯レンジの価格評価), PML (予想最大損失), BCP (事業継続計画) に対して直接的なコア技術となる。本文はこのような地震リスク解析のうち, エンジニアが直接関わるフラジリティ曲線と地震損失関数について調査/報告するものである。本文では, まずリスクの工学的定義と地震リスク解析について述べ, そのなかでのフラジリティ曲線と地震損失関数の位置付けを示す。次に, コンクリート構造物を対象としたこれらの基本算定式および推定方法について述べる。さらには, 土木・建築構造物を対象としたこれらの評価事例を紹介する。