著者
野口 貴文
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.218-226, 2018 (Released:2019-03-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

長崎市からの委託により「供用不可まで劣化破損が進行したコンクリート構造物の補修・補強工法に関する研究委員会」が2015~2016年度に設置された。軍艦島は,2014年に国の史跡指定を受け,2015年に世界文化遺産の構成資産として登録されたため,委員会では,廃墟と化して残存する著しく劣化した鉄筋コンクリート造建築物群の保存方策に関して,技術的・文化財的な観点から様々な検討がなされた。特に,保存優先順位の高い3号棟,16号棟および65号南棟に対しては,具体的な補修方法,補強方法,および補修工事・補強工事の施工方法に関して具体的な検討がなされた。本稿は,それらの概要について取り纏めたものである。
著者
鎌田 彰 清水 幸夫 伊丹 誠慎 宮崎 裕道 寺本 哲
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.32-49, 1990-02-01 (Released:2013-04-26)

京葉線東京地下駅は, 現東京駅の南側, 都道406号の地下に建設中の大規模な地下駅である。横須賀線シールドトンネルは, この地下駅と直角に交差する構造物であり, 地下駅完成時には地下3階の床版で支持されるが, 施工途中においては掘削, 露出および仮受け工が必要となった。営業旅客線シールド構造物の仮受け工は前例のない試みであり, 綿密な事前設計, 施工計画および施工管理のもと, 慎重に施工が行われた。仮受けは, トレンチ掘削による耐圧版下受け工法により行われたが, 掘削中および仮受け中のシールドの挙動計測と予測せぬ変状に迅速に対処することを目的として計測制御システムを導入し, 厳しく管理を行った。
著者
高尾 善卿 渋井 孝志 斉藤 悟志
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.38-46, 1989-06-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
6

開発中のH-IIロケット用のLE-7エンジン燃焼試験設備が, 種子島宇宙センターに完成した。この設備のうち, テストスタンド基礎, フレームデフレクターおよびスピルウェイ (煙道) は, 燃焼試験時の排ガスを受け止めて空中に発散させる役目をもつ。これらの設備はピット形状をした地下構造物であり, 設計荷重としては, 通常作用する土圧や積載荷重のほか, 特殊なものとして, 燃焼テスト時の振動をともなう推力, 音響振動, 温度等を考慮した。
著者
佐々木 崇人 野澤 伸一郎 築嶋 大輔 金子 顕
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.622-628, 2015 (Released:2016-07-01)
参考文献数
10
被引用文献数
3

東北地方太平洋沖地震では,新幹線に用いられるコンクリート製電柱が折損や倒壊の被害を受けた。コンクリート製電柱が倒壊に至るような致命的な損傷となるのは,コンクリートの圧縮破壊が先行し脆性的な破壊となることが大きな要因であった。過去のコンクリート柱の被害と設計の変遷を明らかにした上で,PC構造のコンクリート製電柱を鋼管巻RC構造に改築して変形性能を向上させ,脆性的な破壊を防ぐことができる耐震補強工法を発案した。実用化に向けて,正負交番載荷試験,および実物大のコンクリート製電柱を用いた曲げ試験と振動台試験による性能確認を終え,耐震補強工事を実施している。
著者
玉井 孝幸 嵩 英雄
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.6_19-6_27, 2009 (Released:2012-03-27)
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

日本には竹筋を用いた建造物の伝承は数多くあるが,現存しており調査確認された例は少ない。本報告は,竹筋を用いたといわれるコンクリートアーチ橋への調査結果である。調査の結果,写真などで確認できなかった竹片をコア調査によって目視確認できた。
著者
石橋 忠良 古谷 時春 細川 泰明 山内 俊幸
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.41-52, 1994-12-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
4

東京駅では長野オリンピック開催に合わせて, 北陸新幹線乗り入れ工事を進めている。これに伴い, 必要なスペースを確保するため, 中央線を上層へ上げる工事を行っている。この工事の高架橋は, 東京の玄関口にふさわしく, 丸の内オフィス街と調和のとれた, そして人に優しい構造物を目指した景観設計を行った。この中ではRC構造とPRC構造縦ばりを組み合わせたラーメン高架橋と, これに鋼構造の縦ばりも加えたラーメン高架橋を採用した。さらに経済的な高流動コンクリート, 高密度配筋コンクリート柱の耐震性能確保, コンクリートの表面仕上げ, プレキャスト部材の採用等の技術開発を行い, その成果を採り入れている。ここでは, この工事の景観設計, 構造設計, 施工について報告する。
著者
林 静雄
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.298-298, 2013 (Released:2014-03-01)
参考文献数
1
著者
濱出 龍平 向山 松秀 橋本 國彦 湯原 俊太郎
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.49-58, 1990-05-01 (Released:2013-04-26)
被引用文献数
3 2

RC造大観音像の施工は, 複雑な曲面で構成される像体外形をいかに原型モデルに忠実に拡大・再現するかが大きなポイントとなる。設計図書のなかには像体細部の寸法や部分的詳細はほとんど表現されないのが普通で, 施工の第一歩は, 原型の精密な計測である。本稿では, 観音像躯体建立工法の概要と施工段階におけるCADの活用について紹介する。