著者
大澤 一雅 國井 大輔 斎藤 元也
出版者
システム農学会
雑誌
システム農学 (ISSN:09137548)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.67-77, 2010-04-10 (Released:2015-06-04)
参考文献数
8
被引用文献数
3

宮城県北西部の大崎地域を対象とし、多時期のTerra/ASTER衛星画像を利用して農地の作付け分類を試みた。正規化植生指数(NDVI)の分析により、耕作地では作物によってNDVIが特有の時系列パターンを示し、遊休農地では管理法や遊休後の経過年数などによってNDVIがさまざまな値を示すことを明らかにした。この分析結果を踏まえ、主にNDVIに基づいて判別が容易な水域・森林・都市域を先に判別分類し、次に分類されなかった農地等の部分を判別が容易な分類項目から順次、水稲・大豆・麦類・草地・ゴルフコース・遊休農地に分類し、作付けマップを作成した。遊休農地と山間地森林の草地や河川周辺の荒地等を区分するために、50mDEMおよび25000分の1地形図を用いた解析を加えた。作付けマップから求めた各分類項目の推定面積を農林業センサスにおける統計面積と比較した結果、水稲と大豆畑では良く一致していたが、麦類や草地、遊休農地では乖離が認められた。