著者
國井 大輔 喜多 秀行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00211, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
18

過疎地域における生活の足を確保するため,コミュニティバスからタクシーや自家用車を活用した互助的な個別輸送サービスへの転換を図る自治体が増加しているが,もともと人口が少ない過疎地域においては,個別輸送サービスの採算性と利便性を同時に確保することは容易でなく,自治体からの公的支出は年々増加し,現状のままでは立ち行かなくなりつつある状況も見受けられる.本研究では,それらの課題を解決すべく,先に提案したタクシーとボランティア輸送を一体的に運営する公共交通サービスの仕組み「準交通空白地有償運送(仮称)」の社会実装にむけて,法制度上・運用上の課題を洗い出すとともに,課題解決のための対応策を提案した.
著者
大澤 一雅 國井 大輔 斎藤 元也
出版者
システム農学会
雑誌
システム農学 (ISSN:09137548)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.67-77, 2010-04-10 (Released:2015-06-04)
参考文献数
8
被引用文献数
3

宮城県北西部の大崎地域を対象とし、多時期のTerra/ASTER衛星画像を利用して農地の作付け分類を試みた。正規化植生指数(NDVI)の分析により、耕作地では作物によってNDVIが特有の時系列パターンを示し、遊休農地では管理法や遊休後の経過年数などによってNDVIがさまざまな値を示すことを明らかにした。この分析結果を踏まえ、主にNDVIに基づいて判別が容易な水域・森林・都市域を先に判別分類し、次に分類されなかった農地等の部分を判別が容易な分類項目から順次、水稲・大豆・麦類・草地・ゴルフコース・遊休農地に分類し、作付けマップを作成した。遊休農地と山間地森林の草地や河川周辺の荒地等を区分するために、50mDEMおよび25000分の1地形図を用いた解析を加えた。作付けマップから求めた各分類項目の推定面積を農林業センサスにおける統計面積と比較した結果、水稲と大豆畑では良く一致していたが、麦類や草地、遊休農地では乖離が認められた。
著者
國井 大輔 喜多 秀行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.II_623-II_633, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
29

過疎地域においては,路線バスの代替交通手段としてコミュニティバスやデマンド交通等の運行が行われているが,利便性と持続可能性の両立が困難な地域が少なからず存在している.そのような地域においては低廉な運賃でサービスを提供することができるライドシェアが自家用有償旅客運送という形で運行されているが,ドライバー不足等の問題でサービスの維持が困難な地域もでてきている.一方で,近年はタクシーを利活用する動きが活発化しているが,自治体の財政負担が増加傾向であるため,持続可能性が懸念されている.本研究では,公共交通サービスが具備すべき様々な条件を基に,過疎地域におけるニーズの隙間(ギャップ)の存在を明らかにする.また,そのギャップを埋めるためのライドシェア活用方策に着目し、現状課題と将来展望について述べる.
著者
喜多 秀行 國井 大輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00046, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
13

過疎地域における生活の足を確保するため,コミュニティバスからタクシーや自家用車を活用した互助的な個別輸送サービスへの転換を図る自治体が増加しているが,もともと人口が少ない過疎地域においては,個別輸送サービスの採算性と利便性を同時に確保することは容易でなく,自治体からの公的支出は年々増加し,現状のままでは立ち行かなくなりつつある状況も見受けられる.そこで本研究では,タクシーとボランティア輸送を一体的に運営する新たな公共交通サービスの仕組み「準交通空白地有償運送(仮称)」を提案する.いくつかのサービス特性と地域特性を想定し,運行形態や運賃に関する施策が採算性に及ぼす影響について分析した結果,制度面での制約等はあるものの,一定の条件下ではサービスが成立する可能性が確認できた.