著者
安保 秀範 大澤 高浩 葛 平蘭 高橋 章 山岸 勝俊 櫻澤 裕紀
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00257, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
26

近年,人工衛星SARデータの活用については社会インフラ設備の維持管理などへの研究が進んでいるものの,恒久散乱点が得られやすいロックフィルダムにおいても,PSInSAR解析による恒久散乱点の変位の計測精度が十分に検証されているとは言い難い.本論文では,既に安定期にあるもののここ数年でも年間最大1cm程度変位しており,外部変形量を連続計測しているロックフィルダムを対象に,Sentinel-1 SARデータを活用したPSInSAR解析を実施し,測量値と解析結果を比較することにより,人工衛星SARデータから把握できる変位の精度を検証するとともに,ロックフィルダムの保守管理への適用性について考察した.ロックフィルダム外部変形の測量値と解析結果の比較により,PSInSAR解析によりmmオーダーの高い精度で計測できることが検証され,保守管理に人工衛星SARデータが活用できる可能性があることを示した.
著者
安保 秀範 大澤 高浩 葛 平蘭 高橋 章 櫻澤 裕紀
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.22-00345, 2023 (Released:2023-08-20)
参考文献数
12

Sentinel-1 SARデータを用いて,積雪深の推定方法を検討するとともに,群馬県の利根川最上流域を対象に,積雪深観測所での観測値を用いてその推定精度を検証した.本地域の森林地帯において,積雪深と斜面のVV偏波とVH偏波の後方散乱係数の関係性について検討した結果,後方散乱係数から積雪深の推定が可能であることを確認した.木が生い茂っている500m四方の斜面の後方散乱係数から4m以下の積雪深の推定精度は,推定条件などによるが20~50cm程度となり,融雪量推定のための広域な流域面積での積雪の状況を把握することなどに活用できる可能性がある.