著者
大瀧 ミドリ 中塚 綾子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.509-516, 1994-06-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
5

子どもの愛着対象に関する父親と母親の認知における実態と父親と母親の認知に影響する要因を明らかにするために本研究を行った.対象は, 保育園児をもつ665組の父親と母親である.彼等を対象に14の異なる生活場面において, 子どもが誰を愛着対象としているかについて調査し, 以下の結果を得た.1) 父親も母親も, 子どもは母親を最も多く愛着対象にしていると認知している.2) 父親も母親も子どもとの情愛的関係において, パートナーが考えるよりも自分は子どもから重要な存在であると思われていると考える傾向がある.3) 父親の認知には, 子どもの性や年齢と妻の就業形態が大きな影響を与えていることが明らかになる.4) 母親の認知には, 子どもの年齢と母親の就業形態が大きな影響を与え, また, 子どもの性と母親と子どもの接触量もかなりの影響を与える原因であることが明らかになる.
著者
吉澤 千夏 大瀧 ミドリ 松村 京子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.539-548, 2002-06-10
被引用文献数
1

2歳0ヵ月児とその母親45組のままごと遊びの分析を通して,2歳0カ月児のスクリプトの構造と特徴及びスクリプトの構造化に関する母親の関わりについて検討し,以下の結果を得た,(1)子どもの表出するスロットは,その種類数,出現ともに,母親と類似の傾向が認められる.(2)日常生活の主要行為である「食べる」「飲む」スロットは母子ともに多く表出し,子どもでは調理や供応に関するスロットの表出が多く,母親では飲食時のマナーや「おいしいという」スロットの表出が多い.(3)母親は,子どものスロットに対して,新たなスロットを付与し,統合させている.2歳0カ月時においても,母親はスクリプトの構造化に重要な役割を持つことが示唆される.(4)多くの子どもから表出された自発のスロットは,時系列的関係の中核をなしていることが明らかになる.