著者
大住 晃 大瀬 長門 澤田 祐一 井嶋 博
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は,超高層ビルの不規則外乱(地震動や風など)による振動の抑制に対するアクティブ制御問題について,高層ビルに加えた入力とその出力である振動データに基づいてアクティブ制御方式を確立することを目的としている.制御対象となる構造物のダイナミクスのモデリングは本研究代表者がすでに確立している連続時間部分空間システム同定法を用い,また制御法としては,すでに確立している地震動と風外乱それぞれを分離して制御する機能分担(Functionally Assigned Control)方式を用いた.縮尺1/200の実験模型を製作し,実験を実施してモデリングと制御が理論どおりに行なわれていることを確認した.(i)平成16年度:入出力データを用いてモデリングを行う部分空間システム同定アルゴリズムの構築と,アクティブ制御方式(FAC制御方式)のコンピュータアルゴリズムの確立およびコンピュータシミュレーションによる確認を行なった.またスケールモデルとして地上200m,50階建て,一辺が40mの高層ビルを想定し,その1/200の模型を製作し実験を実施した.(ii)平成17年度:カルマンゲインを含めたシステムの部分空間同定アルゴリズムを構築し,初年度に製作した実験モデルを用いて制御実験を実施した.(iii)平成18年度:FAC制御方式を予測制御アルゴリズムに組み込み,構造物の縮尺モデルでは偏心によるねじりを考慮し,x, y-2軸のアクチュエータにより制御が可能であることを確認した.