著者
谷田 恵美子 和泉 元喜 阿部 剛 土谷 一泉 大熊 幹二 内田 苗利 日高 章寿 林 依里 野口 正朗 益井 芳文 吉澤 海 白濱 圭吾 金崎 章
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.5, pp.839-845, 2013 (Released:2013-05-07)
参考文献数
29

48歳男性.激しい腹痛と便秘のため救急外来を受診した.5カ月前に急性骨髄性白血病に対し骨髄移植を受け,慢性移植片対宿主病に対し免疫抑制剤を服用していた.大腸の拡張とガスの貯留を認めたが閉塞機転はなかった.数日後に水痘様皮疹が出現し,偽性腸閉塞を合併した汎発性帯状疱疹と診断した.アシクロビルの投与により救命し得た.原因不明の腹痛と偽性腸閉塞をともなう免疫不全患者では,本症を念頭に置き早期治療を行う必要がある.