著者
大畑 友香 川間 健之介
出版者
日本リハビリテーション連携科学学会
雑誌
リハビリテーション連携科学 (ISSN:18807348)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.107-115, 2019

<p>本稿は, 院内学級や訪問教育の利用が不可能な児童生徒の学習がどのように行われているのか, その課題は何であるかについて, 国内文献を概観し検討を加えた. 院内学級を利用していない児童生徒に対する学習支援として「ボランティアによるもの」, 「病院勤務者によるもの」, 「入院中の児童生徒に対する原籍校により行われるプリント配布等」, 「個別に行うもの」, 「ICT を活用するもの」が挙げられた. また院内学級の利用が不可能な理由として, 「計画的な設置が困難であること」, 「学籍移動にかかわる問題」, 「治療上の理由」が挙げられた. 入院している児童生徒に対して, 病院や原籍校から行われている学習支援には課題があり, 各々の事情に依存することになる. そして学習支援の課題を改善するためには, 国や自治体が原籍校の教員等, 入院児童生徒の周囲の人が行う学習支援の指針・具体的な方法を示すことが必要だろう.</p>